「初恋の人のこと、忘れろとは言わないけどさ… 高校生になったんだから、他の人のことも見てみようよ?」 優しく、小さい子をさとすように紫万は言った。 もちろん、わかってる。 わかってるんだけど、もう少しだけ信じてみたい… 黙りこくっていた私を見て、 紫万は困ったように微笑んだ。 「まあ、少しずつがんばろ?」 「…うん」 ごめんね、紫万。 やっぱり、すがきくんのことは忘れて、 だれかと恋した方がいいのかな。