紫万は振り向いて、「そう」とつぶやき小さく笑みをもらした。
けれど、

「亜弥華ちゃん、もう少ししゃべろうよ!」
「まだ朝のHRまで時間あるよ!」
と話しかけてくる。

私はくるっと後ろを向き、その人達に笑みを見せる。
さっきの紫万のように。

「ごめんね、私の親友を悪く言う人たちに話すことはなにもないかな。

 行こ、紫万!」

「ええ」

私と紫万は席に着き、「ね?いじめられる心配なかったでしょ?」としゃべりかける。

彼女は黒い髪を綺麗に揺らして、「そうね」と答えた。


けれど、闇はこの先にあった───