「海麻も大きくなったもんだぁ」

「そうねぇ。ついこの間までこの位だったのにねぇ」

おじいちゃんにおばあちゃん....


「親父、おふくろ。話が....あるんだが」


おじいちゃんとおばあちゃんは

離婚のこと、まだ知らないんだ

「海麻、あっちの部屋にいってなさい」

「....わかった」


あたしは小さい頃、
いつもおばあちゃんの家に来た時に

遊んでた部屋に行った


その部屋には

可愛い人形やおままごとのセットなどの

子供らしいおもちゃがたくさんあった

あたしはもうこんなので遊ばないけどね

「....あ。これは....」


あたしの目にホコリのかぶった

ピンク色のマフラーが映った

確か5歳くらいのときに不器用なお母さんが

一生懸命編んでくれたマフラーだ

『これで寒くないでしょう?』

優しいお母さんの笑顔が思い浮かぶ

なぜだろう

『産まなきゃよかったわ』

『早く出ていきなさいよ!』

そんなことを言われたのに

お母さんが愛おしくて仕方ないよ....

気づいたらあたしの頬は

涙でびしょびしょだった