「………白い」

何もかも真っ白で消えてしまいそう...

「あれ...?」

オカシイ

私は目が良かった

はず

学校の簡易的な視力検査はいつもA

なのに今はボヤけている

そいえば、お姉ちゃんドコだろ?

目が悪いから良く躓いてたなぁー

お姉ちゃん...?

「う、嘘!?本当なの...!?」

私はパニック状態になった

でも、その事実を認められない自分がいた

病室から抜け出し病院内を歩き回った

それは病み上がりの体には酷だった

だから、途中で倒れてしまった

どれくらい寝ていたのか定かでは無いが長い夢を見ていたように頭がふわふわ空を飛ぶように朦朧としている

「うう…お姉ちゃん。一人にしないでよぉ…!」

怖い…

その言葉に今は尽きる

しかし、怖いとは孤独からくるものではない

私は今、姉の目が右に埋められ蒼く、もう片方は黒い目…

何も可笑しくはない

そう、可笑しくはないのだ

けれど、目に【視えている】ソレは

本来視えるはずもないし、誰でも視えるわけでもないもの

でも、立っているのは事故前の姉そのもの

けど、決定的になることがある



幽霊だった


そうと気づけば、周りは病院ということもあり、幽霊だらけ

ソレに恐怖したのだ

しかし、唯一すがれる姉の姿は消えていた

私を一人にしたのだ

いつでも側に居てくれたのに

止まることなく流れる涙

今日

私は峡谷という孤独な世界から出られなくなった