彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





(よかった!効いてる!)




大きな音を出したことで、聴覚へのダメージを防げなかったヤンキー達。



(本当に利いてよかった!よかったけど――――――――――)



「あ・・・・頭が、グワングワンする・・・・・!」




〔★凛本人もダメージを受けていた★〕




うっかり小声でつぶやいたけど、その声は敵には聞こえていなかった。




「お、おい!凛道蓮の奴、平気な面してんぞ!?」

「いくら自分でならしたとはいえ――――何ともないのか!?」



(頑張った、私の鼓膜!あんな大きな音で、よく耐えた!)




〔★なんともないわけがない★〕




耳がすごく痛かったけど、せっかく作った隙を無駄には出来ない。

痛みをこらえて、レッツ・トライ!




バウン!バウンブロン、ババババババ!!




バイクを緊急発進させた。




「ああ!?か、貝原さん、あいつが!」

「凛道蓮が逃げていきますよ~!?」

「なっ、に!?」



彼らが復活する前にスピードを上げる。





「逃がすかよ!」

「待て、凛ど―――――――――――!!?」


バルバリリリリリリリリリっ!!



「「「ぎゃあああああ!」」」




〔★二度目の電波攻撃、ゾッキー達にきいている★〕




「またかよー!?」

「耳、いてぇ!!」

「こ、鼓膜が・・・・」


(破れるっ!!)



〔★鳴らした本人にも、きいていた★〕




自分にもダメージがくるけど、仕方ない。

行く手を阻もうとするヤンキー達をコール音で沈める。

間近で大音量を聞かされたことで、身もだえるゾッキー達。




ブロン、ブロロロッロ―ン!!




そして、そいつらの間を単車ですり抜けた。