彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





「凛道、オメーが勝てば、煉獄の方はオメーにかかわらねぇ!」

「それって、煉獄以外は手出しができるって風に聞こえるんですけど・・・?」

「だったらなんだ!?オメー、赤龍会にも迷惑かけたんだろう!?」

「いいえ、かけられて側です。」

「こいつ!図々しいぞ!」

「泣かすぞ、小僧!」

「痛い目にあいたいか!?」




そう口々に叫ぶのは、負傷した赤龍会のメンバー。




(・・・・そっちが痛い目に合ってるじゃん。)




〔★凛は敵からの野次に、疑問を覚えた★〕




(・・・・・・・どうしよう。本日何度目かの、どうしよう。)




かかわらないようにしても、相手から近付いてきたらどうにもならない。




(とにかく落ち着こう!落ち着いて、どうやってこのピンチを乗り切るか、考えて―――――)




「あ。」

「なんだよ!?」




目に映った光景。

反射的に叫んで動いた。





「止まれっ!!!」



キキッ―――――――――――!!




急ブレーキで急停止。



「はっ!?ど、どーしたんだよ!?」

「貝原君も止まって!!」



ブロロロっ!と、エンジンを切りながら伝える。



「あ、あべねぇーって・・・・!?」

「いいから早く!みんなも危ないから、エンジン切って!!」

「え!?」

「な、何が危ないんだ!?」


「止まりなさいっ!!」



怒鳴って伝えれば、次々に単車を止める。

前から順番にエンジンも切ってくれた。




「おい、見ろよ!」

「飛翔連合が赤龍会と一緒に走ってる!?」

「てかさ、バンダナ?みたいなので顔を覆ってる旗持ちの子!あの子のもしかして~!?」




停止した私達に、周囲の若者たちが反応する。




「やっぱり!あれ、龍星軍の四代目じゃない!?噂の小悪魔くん!」

「なんで、飛翔連合と赤龍会と一緒にいんだよ!?」

「やべー!レアなんですけど!ツイートしちゃう!?」

「ほら、煉獄の貝原さんと並んでるのが、龍星軍の四代目だろう!?」

「うわー!リアル凛道蓮君キター!」


「・・・・。」



さわぐギャラリーを無視して前を見つめる。