彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





「凛道よ、龍星軍4代目総長さんよ、俺達相手にずいぶん無茶をしてくれたな~!?」



しぶしぶ、聞くと伝えれば、少し不満そうな態度を取りながらも灰色の人は話し始める。



「オメーはしちゃいけねぇことをした!俺ら飛翔連合と赤龍会の集会ルートを荒らした!」

「いや、飛翔連合に関してはカツアゲして来たじゃないですか?僕のバイクパクろうとしたでしょう?」

「うちの女まで泣かせやがってよ!おかげで、彼氏と別れちまったじゃねぇーか!?」

「いや、それだけ信頼関係と愛情がなかっただけでしょう?別れ時だったと思いますよ?」

「おまけに、族の命である旗を槍にして喧嘩するなんざ、族の風上にもおけねぇぞ!?」

「龍星軍の魂である旗を取ろうとしたから、応戦しただけじゃないですか?」

「テメー反省してねぇのか!?」


「うるせぇぞ。」



瑞希お兄ちゃんみたいにはいかないけど。




「一人対大勢でからんで負けた奴らが、またつるんで俺を狙おうってのか・・・・!?」




ミラーから目をはずし、後ろにいる人間をニラミながら言った。

低くて怖いような声を作って出しながら、目元にしわを作りながらうなった。





「恥を知れや・・・!ダセー族活動してんのはどっちだっ!!?」



「「「「うっ!?」」」」」





私の問いに、バイクの上で身を縮める男達。


その様子を、20秒ぐらいニラんでから前を向く。







「・・・。」


「「「「「・・・。」」」」」







誰も何も言わない空気が続く。





(・・・・・・なんで誰も何も言わないの?)






ちょっと、重苦しい雰囲気なんですけど。

私、間違ったことは言ってないよ?

だって、ケンカ売ってきたのは―――――――――





「今のは、テメーが売った喧嘩だぞ・・・・」

「は?」





やっと誰かがしゃべった。