彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





「なんだオメー?今度はどうした?俺のコーヒーにミルクでも入れたか?」

「まさかお前・・・・俺のカップを割ったか?やめてくれよ~あれ、買ったばかりなんだぞ?」

「なんで僕がミスしたことになってるんですか!?違いますよ!」



だるい顔で言う俺達に、みけんにしわを寄せながら岩倉が叫ぶ。



「出たんですよ!!」

「ゴキブリか?」

「Gじゃないですよ!」

「うちの所轄は、幽霊は出ないぞ?きっと自分の影法師でも見たんだろう?」

「そのGでもないですよ!今、学生時代の友人から連絡来たんですよ!」

「「友人からの連絡?」」



プルルル!


「あ?」



岩倉の言葉に連動するように、職場の電話が鳴る。



「もしもし?こちら、生活安全課、少年事件課だ。」



受話器を取ったのは荒川。



「なに!?」



途端に、その表情がきつくなる。

なにかあったとわかる顔だったが――――――



「おう、おう、おお!?なんだそれ!?」



聞えてくる言葉からも、何かあったとわかる。



「マジか!?おう・・・おう・・・ああ!?本当か?」



あの冷静な荒川があんな表情と声を出すんだ。




(やっかいごとが起きたんだろうな・・・・)




短くなった煙草を、灰皿に押し付けながら理解した。



「わかった・・・すぐに出動する!」



荒川にしては、長い電話の受け答え。

その動きもいつもと違った。



「バラさん!!」



受話器を置き切らないうちに俺を見ながら叫んだ。




「出ました!!」

「どうした?」



「龍星軍です!!」



「なにっ!?」

「りゅ、龍星軍ですか!?」




思わず立ち上がれば、俺へと近づきながら荒川が言う。





「十文字パーキングから、龍星軍の旗を持った4代目総長が出撃したとのことです!」


「なんだとぉ!?」




出撃――――――――!?




(やられた!先手を打たれた!!)






昼間出会った凛道蓮とその他5名の顔が浮かぶ。

凛道蓮のバックに浮かぶ5匹が、ムカつく表情で笑っていた。