彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





真夜中なので、ディスクには俺達以外は残ってない。

一番奥の上座の位置にある机に腰を下ろす。



(なにが、龍星軍だ・・・・)



どいつもこいつも、龍星軍だ4代目だと騒ぎやがる。




(あの瑞希が、新しい頭を指名したって聞いたから、見に行ってみれば・・・・)



―変質者!―

―ライター型のつまようじです―

―その警察手帳が本物だって証拠はないですよ?―

―本人でもないくせに、勝手なこと言わないで!!―

―俺だって、伊吹陽翔さんが最期に何思ったかなんてわからない。―




「なにが、4代目だ・・・・」


(あれは、ガキだ。)





ヤンキーになる奴には、ぐれる奴らには、特徴がある。

理由は違っていても、同情できる理由であっても、『におい』でわかる。



(けど・・・あのガキは違った・・・・)



かなり、天然で無自覚な腹黒だったが、毒は持ってない。

とてもじゃないが、ヤンキーとは言えない。




(ヤンキーには、なれない分類。)




そんな子供を、4代目にしていやがった。




(瑞希の野郎・・・・どこで、あのガキを見つけたんだ?)




俺が掴んだ情報では、数か月前の大嵐山での龍星軍4代目総長をめぐった喧嘩バトルに凛道蓮が参戦したのが、最初の目撃情報とされてる。

今は、瑞希達の店舗兼住宅の『felicita(フェリチータ)』に入り浸ってるようだが・・・




「どこに住んでるのか・・・学校も何もかも不明か・・・」




尾行して、居場所を突き止めてもよかったが・・・・



(伊織の野郎が、妙な真似してるからな・・・)



凛道蓮のことを調べようとすると、元副総長からの邪魔が入る。

いいや、伊織だけじゃない。



(烈司の奴も完全防備に回って、ガードしてやがる。モニカに至っては、アイドルにハマる感じで完璧に惚れちまってるし・・・皇助は通常運転だけどな。)



どういうわけか、4代目総長になるガキを、悪ガキファイブは気に入っていた。

珍しく、息ピッタリの姿勢を見せていた。



(・・・・瑞希の指示だろうが、烈司や伊織を使って、龍星軍が関係してる『証拠を残さないように裏工作』してるところがえげつねぇーぜ!)




〔★凛の知らないところで何かが行われていた★〕