彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




「フッ・・・フジバ・・・さ・・・!?」

「いいか、よく聞け坊主。オメーがキャリア組だろうが、なんだろうが、神様じゃねぇんだぞ?」



岩倉の面食らう顔を覗き込みながら、壁に抑える力と、その首に込める力を強める。



「ここに来て1年も経ってないガキのオメーが、くだらねー理論で龍星軍を語ってんじゃねぇよ。オメーが言わなくても、龍星軍の初代共が後輩を見殺しにしてんのはみんな知ってんだよ・・・!弱い犬がいつまでも鳴くような真似してんじゃねぇぞ・・・・?」



それだけ伝えて、放り投げるように若僧から手を離した。



「ゴホ!ゴホゴホ!!」

「ちょっと、バラさん!?なにしてんだよ!?」



そこへ、便所から出てきた部下が駆け寄ってくる。

その姿を目にした瞬間、舌打ちついでに話しかけてしまった。



「荒川!ちゃんと教育しとけ。」



この科に一番長くいる、ベテラン刑事に伝える。



「どんな教育してんだ、ボケ!?ガキの発表会よりもランクが下じゃねぇか!?くそったれが・・・!」

「俺はちゃんと教育してますよ!あんたと違って、首は絞めはしません!」

「ばっか!壁ドンだよ、壁ドン!?知らねぇーのか!?ガキ共の間で流行ってるあれだよ!」

「知りませんよ、そんな壁ドン!!違いますから!!ジャンルからして、すでに違いますから!」



〔★違いのわかる部下だった★〕




「あれはラブストーリーであって、アクションじゃないです!バラさんがしたのは、寿命を縮める壁ドンですから!!」

「うるせぇ!どっちも心臓がドキドキするなら同じだろう!」

「アンタって人は、本当にもぉ~!おい、大丈夫か、岩倉?」

「あ、荒川さん・・・!」



生活安全課の少年事件課の中でも、人が良いので『アニキ』とあだ名されている荒川に岩倉が泣きつく。




「なにしたんだ、お前は?」

「うっうっ!聞いてください!ぼ、僕はただ!龍星軍が危ないとお伝えしただけで~」

「はあ?龍星軍だぁ~!?」




(うるせぇな。)




ごちゃごちゃ話し合はじめる男2人を無視して、仕事場に入った。