彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





バッバッ、ブルルルッル!



「凛道――――――――!覚悟しやがれ!!」



そう叫ぶなり、私の単車へと急接近する津山。



「津山さん、これ使ってください!」

「おう!」

「え?ちょっと、ちょっと!?」



私へと近づく特攻隊長に、バットを渡す煉獄のメンバー。




「フルスイングだ、こらっ!!」

「野球部ですか!?」

「黙れ!真田瑞希宛てに、オメーの全裸土下座映像送ってやるよ!瑞希『お姉ちゃん』が選んだ4代目はハズレですってな!?」

「お姉ちゃん・・・!?」




その発言で再びカチンとくる。





「・・・・どいつもこいつも・・・!」




やめてというのに、なぜか瑞希お兄ちゃんの悪口を言うの?

私への嫌がらせだとは思うけど、気に入らない。





(私は何を言われてもいいけど――――――――)



「瑞希お兄ちゃんの悪口は許さない・・・・!」





風の音と、後ろからのコール音で、その言葉はかき消される。




「よぉよぉ!お前のお姉ちゃん、親隊とも仲良いんだろう!?良い彼氏持ってんなー?お前も男の方が好きなのかー瑞希お姉ちゃんみたいに~!?」


「今すぐ、ごめんなさいと謝りなさい。できないなら、俺も怒るよ?」

「はーはっはっはっ!!怒ってトンファーでも使うのか!?この状態で!?俺はGHOSTのチャラオとは違うぞ!?」

「悔い改めぬか・・・・!?」

「神父か、オメーは!死ねよ、クソガキ!」




ユルサナイ。


絶対に、許さない。




(瑞希お兄ちゃんのことはもちろん、他の先輩方のことまで・・・!)




知りもしないで、勝手なことを・・・・名誉棄損で訴えてやる!!




(瑞希お兄ちゃんを悪く言うと、どうなるか思い知らせてやる・・・・!!)




こういう場合。

好きな人の悪口を言われ、どうしても我慢できない時。

自分に不利な状況で、やり返す時。

以前の私なら、思いつかなかったけど、今夜は違う。





(初代龍星軍メンバーの皆さんから、励ましがある―――――――――――!)





ひじの間に旗のポールを挟む。

片手ハンドルに意識を集中させる。

そして慎重に、旗を挟んでいる指先を動かす。