彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





今度は私が困った顔で聞けば、相手はますます複雑な顔になる。



「正装って・・・・坊やさ、それどういう服装かわかってる?」

「ええ、特攻服でしょう?」

「だーかーら!」

「おい、はっきり言ってやれ!」



私達のやり取りに見かねたように、運転席の男が顔をのぞかせる。

両サイドを刈り上げた凄い頭の人だった。

その人は私を見ながら言った。




「あのな、坊主!お前、その特服は、『あの龍星軍』のもんだろう!?勝手に着て走り回ったら、殺されるぞ!?」

「え?勝手に着てませんよ?そもそも、誰に殺されるって言うんですか?」

「そりゃあ、真田さん達悪の5レンジャーだろう!?そうか、勝手に着てない・・・え?」

「ええ!?勝手に着てんじゃないのか!?」

「当たり前じゃないですか?」




私の言葉に目を丸くして、助手席の窓から頭を出してくる2人。

そんな男達に私は伝えた。




「僕、あなた方が言う悪のゴレンジャーの真田瑞希さん+4名からの指令で、今夜総長デビューするんですよ。だから、怒られたりしません。」


「えええ!?」

「そ、総長・・・!?」


「あ、申し遅れました。僕、今度の龍星軍っで4代目総長をすることになった凛道蓮でーす!」

「「えっ・・・・・・・・・・・!?」」




私が社交辞令であいさつするのと、彼らが声をハモらせたのと、信号が青色になるのは同時だった。




「あ。信号変わったー♪」


ブロン!





それで切っていたエンジンをかける。

彼らに向けて、笑顔で旗を振る。




「ということで、僕は先を急ぎますので、これで失礼します。さようなら~良い夜をー!」



ブロン、ブロンブロンブロロ!!



「えっ!え!?ええ!?」

「おいおいおい、おーい!」




何か言っている人達をスルーして、バイクを走らせた。




(なんだったんだろう、今の?)




いつもなら、すぐに忘れるところだったけど。




パッパアー!




「え?」


「待て待て少年!!」

「ちょっと、待とうぜ!」


「ええ?」




なぜか、追いかけてきた。