彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





「完全アウェーで、調子に乗ってんじゃねぇーぞ!お前、素っ裸で放り出してやろうか~?」

「なんでそんなひどいことするんですか!?僕ら、何もしてないじゃないですか!?」

「あっはっはっ!こいつ、助かろうとして必死だぜ~?」



悪びれることなく、私を指さしながら言う男。

周りもそれに慌て、大笑いする。

それが癪(しゃく)にさわった。




「笑うなっ!!謝りなさい!!」





さっきのおっちゃんみたいに、キツめの一言で一喝する。




(これで聞かないようなら、私も怒るよ!?)




その覚悟で言ったんだけど、結果は残念なもの。






「うるせぇって言ってんだぞガキコラ殺すぞー!!?」



ガッターン!!



「わっ!?」






早口で罵声を発すると、私にあたるか当たらないかで木刀を投げつてきた。

正確には、当たりそうになったのをよけた。

それを見て、木刀を投げた緑の特服の男が騒ぐ。




「逃げてんじゃねぇーぞ!?生意気なんだよ!」


「逃げるじゃなくて、よけたんです。反省できないどころか、日本語の使い方も下手ですか?」


「ガチで気に入らねぇ!!おい!このガキ、袋にして山に捨てるぞ!」

「やべ~LINEに、オシャカ姿さらしちゃうか~?」

「童貞くせーし、だれか卒業させてやれよ~」

「ゲイバーの側に捨てればいいだろう?お持ち帰り自由でとか紙つけてさ~」


「・・・。」




ここまで。




(・・・・・・・ここまで、この町のヤンキー事情がひどいとは・・・!)




―俺らが旗を回収してから、今のヤンキー共がどうしてるかは知らねぇ。けど、かなり悪質になってるから、気をつけろよ?―




そう言った瑞希お兄ちゃんの教えは正しかったと実感する。

同時に、私の中の何かのスイッチが入った。