彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





「や、やめましょうよ~!無意味に争うことないですって!」

「なによ?ガキの方はわかってるじゃんか?」



止めよとする私に、鼻を鳴らしながらカチューシャをつけた松田という男が言った。



「そう思ってんなら坊主、財布出せよ~親切踏みにじったわび料だ!」

「はあ?もはや、カツアゲじゃないですか!?」


「ぷっ!カツアゲかどうかは、俺らが決めんだよ!」

「持ってんだろう~!出せよ、クソガキ!」

「金払えよっ!」

「払え!払え!」

「「「はーらえ!!」」」



気づけば、払えコールが鳴り響いている。



(クソガキって・・・!)



そう言ってる輩は、どう見ても私と同じ年ぐらい。

男装し始めてから、年より若く見えると思っていたけど・・・・




「なに固まってんだよ、小僧!?」

「今更ビビっても、許してやんねぇーぞ、子供―!?」



(最悪。)




いろんな意味で、性質(タチ)が悪い。




(・・・・心底、最低ね・・・・。)



「土下座しろ、土下座~!」

「スライディング土下座してみろよー?」




ひど過ぎるなんてものじゃない。

言い返すことさえ、嫌になるぐらいの罵り。

それでも、なにか言おうと思って口を開いたけど、言葉にならなかった。





「黙れ!クソガキ共!!」

「おっちゃん。」





トラックの運ちゃんが一喝(いっかつ)した。

おっちゃんは、私に見せていたのとは、180度違う怖い顔で言った。




「テメーら!毎回毎回、ここにたまって悪さしやがって!この間は、俺の知り合いともめて怪我させやがって!」

「え?怪我したんですか?」

「そうだよ!赤い特服着てたっていうから――――――――お前らの仲間だろう!?」

「はあ?マジで泣かすぞ、ジジイ?」



おっちゃんの言葉に、指さされたカチューシャ男子が小馬鹿にしながら笑う。




「赤ってだけじゃ、俺らGHOST(ゴースト)じゃねぇかもしれねぇーだろう?名誉棄損だぞ、コラ!?」

「赤なら、俺らのチームもだぞ?」

「死ねジジイ!」


(これは・・・・)




そいつらの言い方に、イラッとする。

そんな私の横で、おっちゃんも叫ぶ。