彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




行く前に、いろいろ体力使ったけど。

神経すりへって、気疲れしたけど。

私はまだ、スタートラインにすら立ってない。




「俺、そろそろ行きます。みなさんのおかげで、準備も整いましたから。」




瑞希お兄ちゃん達を見ながら、額に手をかざして敬礼する。




「凛!!」




それに反応するように、瑞希お兄ちゃんが言った。




「今夜はあくまで、凛の存在を町中に見せて回るだけだ。警察も油断してるとは言え・・・あんまり喧嘩とか乱闘に、巻き込まれるなよ・・・?」

「・・・わかってます。」


(わかってて、くれたんだ。)




お弁当の配達を殴り込みと言いだしたから心配だったけど、ちゃんとわかってくれていた。




「あとな・・・俺らが現役の頃、今とは不良の構造も違う。俺らが旗を回収してから、今のヤンキー共がどうしてるかは知らねぇ。けど、かなり悪質になってるから、気をつけろよ?」

「わかってますよ、瑞希お兄ちゃん。」




心配してくれる優しい人を、安心させるためにも私は言った。





「俺、瑞希お兄ちゃんの言うことはちゃんと聞く子なんですよ?知ってました?」

「・・・・・薄々、そんな気はしてた・・・・・。」




見えない口元をニッとしながら聞けば、呆れるような顔で微笑む瑞希お兄ちゃん。




「オメーがそういうのだから、放っておけねぇんだよ。まぁ、今夜の凛には、俺達悪のゴレンジャーがサポートでつくからいいけどよー」

「そうよ、凛ちゃん!スピード出し過ぎちゃダメよ!転倒の危険を感じたら、旗は捨てておしまい!」

「って、俺らの魂を捨てさせるな!凛たん、重心のバランスを取ればなんとかるからやってみな!旗だって思うと変に緊張するから、大根だとでも思って走りな。喧嘩になったら、構わずぶっ飛ばしな!」

「と言っても、先に相手の攻撃を受けろよ。受ける場所も、ダメージの少ない部分にわざとあてさせろ。先に手を出したとい状況を作っておけ。あとはこちらで社会的に消してやる。」

「わはははは!こえーのなぁ~!!面倒になら俺様を呼べ!一般人として正当防衛で助けてやろう!」


「みなさん・・・!」

「だから!!俺らはカランじゃダメだって言ってんだろう!つーか、皇助の言葉で思い出した!」

「瑞希お兄ちゃん?」




頼もしいことを言って下さる先輩方をしかると、ポケットから何か取り出す瑞希お兄ちゃん。