「なんだこいつ!?」
「イカれてやがる!」
「せ、先輩!」
「わーてる!下がれお前ら!」
何人か叩きのめせば、学生らしくないヤンキーが数人近づいてきた。
若手をかばったので、元ヤンなのだろう。
「それぐらいにしとけよ、ガキ!」
「うちの後輩になめた真似してくれたな!?」
「コウハイ?」
じゃあ、こいつらはセンパイ?
「そうだ!俺らは、先代の羅漢のOBでーーーーー」
私の問いに、偉そうに言うので言ってやった。
「責任とれっ!!!!」
パンチパーマの足のつま先を踏む。
「あひっ!?」
それで前かがみになったところを、足を大きく上げて踵落としを食らわせる。
「ぐおっ!?」
「こ、近藤!」
「テメーよくも!」
それに驚きながら駆け寄って来た茶髪と金髪。
頭へと落とした足を踏み台にして、大きくジャンプした。
「な、」
「なに!?」
これを見て驚く2人へと、回転のかかった回し蹴りをそれぞれお見舞いした。
「ぶっ!?」
「うぐ!」
地面に着地した時、彼らはもう、襲ってはこなかった。
「げええ!?冗談だろう!?」
「先代の総長と、副長と、特隊を・・・!?」
「お、お前・・・!?」
視線を上げれば、ロン毛の男が固まっていた。
年のころは、今倒した奴らと同じぐらい。
「親衛隊長・・・?」
「は、はい!」
そう答えたので、拳を伸ばす。
それでとっさに防御してきたので、寸止めして拳を止めた。
「え!?」
攻撃してこないことで、両腕で組んでいたガードを下げた相手。
そこを狙って、顎の下からアッパーを叩き込んだ。
「ぐえん!?」
そして、動かなくなった。
「ひっ、ひぃいい!」
「うちの先代トップ4人を一瞬で・・・!?」
「まだだ・・・・」
「えっ!?」
怯える少年達につぶやく。
「まだ・・・足りない・・・!」
まだ収まらない。
私の怒りはまだある。
大好きな瑞希お兄ちゃんからもらったブレスレット。
(きれいに磨いて、本当にめったに身に着けないようにしてたのに・・・!)
「それなのに・・・!!」
(こいつは、こいつらは、その宝物を壊した・・・!!)
「壊してやる・・・!!」
ブレスレットのようにお前らを。
「う、わっ!」
「逃げろ!!」
「ーーーーーーーーー逃がさない!!」
私が、大事にしてきた6年間。
ずっと、思い続けた6年間。
(瑞希お兄ちゃんへの愛が詰まった思い出の品をーーーーー!!)
「壊したからには、ぶち壊してやるっ!!」
ユルサナイ・・・・!!
怒りは収まらなかった。


