彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





「よしできた!」

「え!?できたって・・・・?」



「名付けて、のぼり作戦だ!」

「えええええええ!?」




背中に感じる重みと、頭にあたる布の感触。

どうなったのかと、視線を漂わせれば目に入る。

ガレージから漏れる明りを受け、お店のガラス窓に映る自分の姿。





「桃太郎じゃないですか!!?」





叫ばずにはいられなかったビフォア・アスター。

絵本に出てくる桃太郎が、背中にさしているのぼりのような状態になっていた。




「どうだ?旗の形は違うが、物語の主役らしくなっただろう?」

「ちょっと違うと思います!!」




〔★鬼退治に行く予定はない★〕





「桃太郎って、ええ!?僕、一人だけでしょう!?集団行動もしなければ、お供もいないんですけど!?それなのに、桃太郎仕様にしたんですか!?」

「何言ってんだ?関係ねぇーよ!マジでカッコいいぜ、凛!?」


「だっはははは!やべーカッコいいわ!凛たん、似合いすぎだろう~!?」

「きゃーはっははっ!ウケる~凛ちゃん、きゃわゆぃいい!退治されたーい!」

「ぶはははは!わーはっはっはっ!ぐははははは!」

「くっくっくっ!なかなか、様になってるではないか!凛道?~」


「ほ、ほれ!大好評じゃんか~男前!?」

「そう思ってるんでしたら、笑うのを止めてください!」



〔★説得力がなかった★〕




口元を抑え、お腹を抱えこみ、座り込こんだり、あるいは地べたを転げまわりながら、私を見て爆笑してる先輩達。

苦笑いして誤魔化してるあたり、瑞希お兄ちゃんの言い訳は苦しい気がした。




「これなんですかー!?暴走族じゃなくて、珍走団(ちんそうだん)じゃないですかー!?」



〔☆良い子のためのワンポイント解説☆〕
珍走団(ちんそうだん):『暴走族』という暴力的な語感を迫力のないものにすることで、族への参加&見物する意識をなくそうという考えで最近生まれた言葉☆彡暴走族の別名として、侮辱の場合に使われることが多いんだってー☆彡