戸惑う私に気づくことなく、獅子島さんは歩きだす。
向かった先は、騒ぎの中心へとなっている人の群れの中。
学校の先生みたいな口調で言った。
「それぐらいにしておけ、お前達。12時まで、あと55分だぞ。」
「えっ!?5分も、無駄遣いしちまったか!?」
「モニカが洗濯したせいだぜ!!」
「お黙り、単細胞!あんたがれーちゃんと、グズグズ単車を見てたからよ!?」
「誰の仕事が遅いだ、コラっ!!?」
「~~~~だーかーらー!!ケンカはしないでくださーい!!!」
たまりかねて、大声で注意する。
それでピタっ!と、争うことをやめる瑞希お兄ちゃん達。
目を丸くして私を見ていたけど、気にするところはそこじゃじゃない。
「僕よりも、瑞希お兄ちゃん達見守り世代が興奮してどうするんですか!?ちゃんと、カッコいいままでいてくださいっ!!」
「か・・・かっこいい・・・?」
「そうです、瑞希お兄ちゃん!」
「凛ちゃん~あたしはー!?」
「モニカちゃんは愛らしいです!!」
可愛いとか、美人とかでもよかったけど、聞きなれてない言葉の方がいいかと思って伝える。
「あいらしいって・・・凛ちゃんたら、スケベ~!」
「馬鹿!凛は真面目に話してんだ!ごめんな、凛・・・・」
浮かれるモニカちゃんをよそに、素早く私の方へとくる瑞希お兄ちゃん。
「族の命である旗を洗濯され、思わず我を忘れちまった・・・許してくれ。」
「僕はいいので、モニカちゃんを許してあげてください。」
「凛ちゃん!そこまであたしのことをー!?」
「うるせぇ、ボケ!そうだな・・・凛の言うように喧嘩は良くないな?」
そう言いながら、私をヨシヨシする姿はいつもの瑞希お兄ちゃん。
「やれやれ・・・瑞希がそう言うなら、今回は水に流すか~洗濯なだけに?」
「けっ!!甘ったるい小僧だぜ!せいぜい、グルグルに回されんなってんだ!」
「あら~?皇助にしては、優しい言い方ね~?やっぱり、子供が一人いると違うわね~癒されるぅ~」
「どこのホームドラマのメンバーだ、お前ら。」
呆れた口調で、ビシッとツッコミを入れる獅子島さん。
それでこの争いも、終了に向かっているのではないかと感じる。
だから、早々に終わらせるべく、強めの口調で一言で言った。


