「瑞希も・・・1代限りでやめるつもりだったから、よけいに洗おうとは思っていない。」
「洗うのは・・・男らしくないのですか?」
「そうらしいな。」
「モニカっ!すっげー良い匂いなってるじゃないか!?どうしてくれんだ、コラッ!?」
見てみろと、顎で指した先には、モニカちゃんと争う瑞希お兄ちゃんの姿。
「テメーのせいで、俺の硬派が流れ落ちたぞ!?」
「俺様の勝どきの血も消えてるだろう!?」
「あの・・・烈司さんと百鬼さんも・・・一緒になって怒ってますが・・・?」
理由が理由なだけに、意見をそろえて怒る姿にびっくりした。
(百鬼はいいけど、烈司さんはおかしい。あんなことで怒るなんて――――――)
「なにもおかしいことはない。」
そんな私の心を読み取ったのか、フンと鼻を鳴らしながら言う獅子島さん。
「おかしくないって・・・!百鬼さんはともかく、烈司さんはいつもと違うと思いますよ?」
「お前から見れば、そう感じるだろう。」
「え?」
「それで正しい。皇助はそれでいい。しかし、烈司に関しては細かく言えば違う。お前に見せている姿が良いとこ取りなだけだ、凛道。」
「いいとこどり??」
「凛道に対しては、瑞希以上に『良いお兄さん』で接しているだけだ。社会人になって落ち着いたとはいえ、根ははバリバリの武道派ヤンキーだ。世話焼きのお兄さんだと油断するな。あいつは凶悪だぞ。」
「ええ!?あの穏やかな烈司さんが!?」
「ふ・・・穏やかか・・・。お前もまだまだ甘いな、凛道。今後は、人間観察もしっかりするように。」
そう言って、ハードカバーの本を軽く私の肩に乗せる。
「え?」
トン、と触れる程度で、叩かれなかった。
痛くなかった。
(いつもなら、強烈な一撃がきそうなのに・・・・なんで!?)
〔★凛は違った意味で、ダメージを受けた★〕


