彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





「お前って奴は~伊織!卒業してからも、平気で腹黒いことを言いやがって!!」

「何を言う?俺のおかげで、凛道やお前への監視の目が消えたんだぞ。もう少し俺に感謝し、拝み奉(たてまつ)れ。」

「神様かよ!?もういいから、凛!着とけ、ジャケット!」

「えっ・・・?僕、これを脱ぎ捨てて、誰かを事故らせなきゃダメなんでしょうか・・・?」

「そうじゃない!!そこはしなくていいから、着ときなさい!夜風は冷たいから!」

「はーい。」




メっ!と言って怒る瑞希お兄ちゃんも可愛いと思いながら、言われた通りに服を羽織る。

腕を通して、前のファスナーを止める。




(なんか、これ・・・・)



「お?凛たん、ちょっと目を離したすきに、可愛いくなってないか~?」

「きゃあー!にぎやかだと思ったら、そりゃあ、みーちゃんもさわいじゃうわねぇ~!サイズが大きいジャケットなんか着ちゃって~!!プリティーよ、凛ちゃん!」

「わはははははは!ぶかぶかだぞ、凛助!!」


「ですよねー・・・・」




着てみた服は、一回り大きい。

おかげで、ぶかぶかしてしまう。




「なんだ伊織、あれは!?」

「周りの目を、誤魔化すためだ。」




私を指さしながら文句を言う瑞希お兄ちゃんに、涼しい顔で獅子島さんが答える。




「大きいサイズの服を着ることで、可愛さがアップする。小馬鹿にされることはあっても、笑って終ってスルーされる。これで、他のヤンキー共に気づかれることなく、十文字パーキングに行けるであろう。いわゆる、思いやりという奴だ。」

「そんな思いやりで、このサイズですか!?」



〔★あまり思いやりが感じられない言い方だった★〕