彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




「伊織テメー!?ジャケットを武器にしろだぁ!?こんな布切れが、どう役に立つってんだよ!?」


(そうですよねー)




痛みを受けた場所を、ヨシヨシしてくれる瑞希お兄ちゃんに心の中で賛同する。




(トレーニング用のジャケットで、どう戦うの??相手の首をシメるのに使うのかな?)




〔★それだと武器ではなく、凶器である★〕




下手なことを言うと怒られるので、様子をうかがいながら眼鏡に聞いた。




「どう使うんですか、獅子島さん。」

「って!?使う気かよ、凛!?」

「よかろう。伝授してやろう。」

「お前も!!教えんのかよ、伊織!?」

「いえ、聞くだけですよ~瑞希お兄ちゃん~!」

「聞くだけで済むか、凛!?好奇心旺盛もほどほどにしろよ!」

「お前も凛道ぐらいの時は、そうだっただろう?興味本位でいろいろうやってくれたではないか?」

「うっ!それは~」

「まぁいい。」




私達の間で慌てる瑞希お兄ちゃんをよそに、獅子島さんは涼しい顔で言った。



「凛道、お前は今夜、単車で活動するだろう?」

「はい。乗り続けると、うかがってますが??」

「では、走行中に攻撃を受けたらどうする?」

「え!?そんなことあるんですか?」

「ムカついたという理由で、他人に暴行を加えるのがヤンキーだ。単車で追いかけられたらどうする?」

「そうですね・・・・単車を止めて、同じようにとめたヤンキーの首を〆ます!このトレーニングジャケットで!」

「なに殺人予告してんだ、凛っ!!?ふざけてんのか!?」

「え?冗談なんて、めっそうもない!」



〔★凛は真面目に答えている★〕




「なおさら、だめだぞ、凛!そんな使い方したら!?」

「えっ?違うんですか??そのためにくれたんじゃ・・・?」

「『えっ!』じゃ、ねぇーよ!当たり前だろう!?」


「瑞希の言う通りだ、凛道。」

「伊織!」

「獅子島さん!」



「わざわざ、相手の首を〆に行くなど、やってはいかん!」




瑞希お兄ちゃんの言葉に賛成すると、ギロッと私をニラみながら冷静に言った。




「そんなことをしなくても、バイクを走行中にジャケットを脱げばいいだけだろう!?」

「ええ!?」

「伊織!?」


「突然、脱ぎ捨てることで、後方への目つぶしになる。後ろからお前を追ってきている敵への目つぶしになる。事故らせることが可能だ。」


「真顔で怖いこと言わないでくださいよ!?」

「馬鹿者。効率的な方法を話したまでだ。」

「話すな!つーか、凛に変なこと教えるなボケ!!」



〔★ロクでもない教えだった★〕