彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




真っ暗になった外。

暗い闇の景色を、ガレージの中から見ていたら声をかけられた。





「凛、緊張してんのか?」

「瑞希お兄ちゃん。」

「まぁ、初挑戦だから無理もないか。」




そう言うと、私を励ますように肩を叩いてくれたのは初代龍星軍総長。



時刻は午後23時。

これから私は、龍星軍の4ダ名目総長として出撃する。

24時までには、十文字パーキングに到着してないといけない。

そこから、指定されたルートを回るらしい。




「イオリン~!こっちじゃなくて、そっちを走らせた方がよくなーい?」

「そっちは工事中だ。むしろ、ここで曲がるのではなく、その先でー」

「その先だと、ちょっと問題があって~」




そう言いながら、ガレージに置いてある台の上で話し合っているのは初代副総長と遊撃隊長。

今夜走るコースを考えてくれたのは、先輩である獅子島さん。

用意してもらったルートは暗記したけど、モニカちゃんと2人で最終チェックをしてくれていた。

そしてもう一組。




「わははは!烈司!!そっちのネジ頼む!」

「OK~あとさ、こっちの動き、怪しくねぇー?」

「直しとくか!?わはははは!」




ガレージの中では、私へと贈られたバリオスの前で、製作者(?)である百鬼と一緒に、烈司さんが最後のメンテナンスをしてくれていた。




(そろそろ、終わるかな・・・・?)


「凛。」




そう思ったところで、瑞希お兄ちゃんに名前を呼ばれた。




「走るコースは・・・多分、変更はなさそうだ。単車の方は、もうちょっとで終わる。そしたら――――・・・・!」

「・・・わかっています。」




瑞希お兄ちゃんが何を言いたいのか。

これから私がするのか。

ちゃんと、わかっている。




「なんか、すみません。バリスタのお仕事がお休みの時は、勉強された内容を実践する場所として、フェリチータを開けるところを・・・」


(私のために・・・・)




瑞希お兄ちゃんの仕事の邪魔をしていることをお詫びすれば、笑って首を横に振りながら言った。




「あははは!なに気にしてんだよ、凛。今夜は特別だからいいんだ。凛の旗揚げだからよー。」




そう言って笑った後で、急に真面目な顔で私の肩を抱きながら告げる。