彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




くしで髪をとかされる感覚。




「ずいぶん静かになったな?どうなっている?」

「わはははは!」




キュッキュッと、なにかをしぼる音。




「オメーらも終わったか、伊織?」

「ちゃんと弁償しろよ、皇助!」




ワサワサと髪を触る手の動きは、まるでマッサージをしているみたいに気持ちいい。




「わはははは!なにしてんだ、モニカと凛助は!?」

「ヘアセットだろう?サービスの良いことだ。」

「いいだろう?俺らの可愛い総長様なんだぜ~?なぁ、瑞希?」

「凛がしたいようにすればいいんだよ。俺は、反対なんてしねぇーし。」


(嬉しいです、瑞希お兄ちゃん・・・)




私へ向かられた言葉に、口元が緩む。

つくづく、顔の半分が隠れていてよかったと思っていたら言われた。




「はい、終了~♪」

「え?もう?」




思ったより、時間はかからなかった。




「そうよん!凛ちゃん、おめめを開けてごらんなさい!」

「は、はい・・・」




言われるがまま、目を開ける。

少し、まぶしく感じる視界。

目の前に、知らない人がいた。




(誰!?)




一瞬あせるが、すぐに我に返る。

そこに、鏡の中にいるのは―――――――。




「『俺』・・・?」




凛道蓮、龍星軍四代目総長。





ワックスでデコってあげる。



鏡に映るのは、もう一人の私。




「おおー!似合うじゃんか、凛!」

「瑞希お兄ちゃん・・・」

「でしょうー!?色変えないで、自由に治せるって言ったら、ワックスしかないでしょうー!?」




そう言うモニカちゃんの手にはワックスのチューブがあった。




「これなら、後で元に戻せるわよ、凛ちゃん!」

「モニカちゃん・・・ありがとうございます!」

「良いのよん!あたしも、凛ちゃんを男らしくできて、happyよっ♪」




そう言って笑う顔を見てから、改めて鏡の中をのぞき込む。

メンズファッション雑誌のモデルのような髪型。

軽く、髪の毛がウェーブしてる。