「なんですか、これ!?ドレッサー!?」
「ピンポーン!」
彼女が披露したのは、三面鏡のついたコスメボックス。
「いいでしょう!?前に凛ちゃんに見せてあげたグッズのお仲間よぉ~!これで、凛ちゃんのヘアスタイルをオシャレに変えちゃうからね?」
「え!?髪型を!?」
「そうよ。希望があったら言ってね~その通りにしてあげる~」
ハサミとくしを構えながら言うオネェさん。
(私の希望通りにしてくれる・・・・)
モニカちゃんの言葉は、私に呪文をかけた。
「僕は―――――――」
気づけば、口を開いて語っていた。
「髪の色はこのまま変えないで、今の髪型に戻せるように、僕が自分でもできる、僕だとわからない髪型にして下さい。」
「・・・・・・・・へ?」
「凛・・・?」
「・・・。」
私の希望に、モニカちゃんがポカーンとする。
瑞希お兄ちゃんも、烈司さんも同じ顔になっていた。
「色を変えないで、元に戻せて、自分でもセットできて、凛ちゃんだとわからない髪型??」
「ずいぶん無茶な注文するな、凛?」
「え!?そ、そうですか・・・?」
出来るだけ、控えめに言ったつもり。
「凛ちゃん、髪の毛色染めたくないのー?明るい茶色なら、絶対に会うと思うんだけどなぁ~?」
「いや、カラーリングとか、皮膚にあうあわないがあるだろう?凛たんが嫌なら、やめてやれよ。」
「当然よ!凛ちゃんが嫌がること、あたしがするわけないでしょう!?」
そう言うとモニカちゃんは、私の両肩に手を置きながら言った。
「わかったわ!凛ちゃんがそう言うなら、モニカちゃんに任せて頂戴!」
「モニカちゃん・・・・いいんですか?」
「もちろんよ!凛ちゃんはお目めを閉じて、いい子で待ってるのよぉ~」
そう言って笑うと、チュッ!と私の額にキスするモニカちゃん。
「モニカ!」
「大目に見てやれ、瑞希。」
怒る瑞希お兄ちゃんと、それをなだめる烈司さん。
そんな瑞希お兄ちゃんに気をよくしながら目を閉じる。
「モニカちゃん、お願いします。」
「はぁーい♪お任せあれ!」
甘ったるい声を合図に、彼女の細長い指が私の髪にからみ始めた。


