彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)


瑞希お兄ちゃんの部屋に移動した私は、誰も入ってこれないように部屋の鍵をかけた。




(モニカちゃんの本音を聞いた以上、通行止めにした方が安全だもんね・・・)




用心しすぎて困ることはない。



〔★凛は出入り口を封鎖した★〕




施錠した後、一息吐く。

気持ちを落ち着けてから、部屋の中央へと移動する。

バリスタ関連の本を山積みしているテーブルの空きスペースに、渡された包みを置く。




「本当に、プレゼントだなぁー・・・」




キレイなリボンでラッピングされた贈り物。

それをひも解いていく。

その中から出てきたのは――――――――






「これが、今夜の衣装・・・・?」






まっ白な特服。

恐る恐る取り出す。

それには、フリルもレースもついていない。

キラキラのラメやビーズも、取り付けられてない。

さっきの王子様デザインとは違うタイプ。





「瑞希お兄ちゃんが着ていた物と同じ・・・!?」






よみがえる6年前の記憶。

あの時、彼が着ていた服だった。

ジッと見ていれば、両胸についているボタン付きのポケット上に、文字が入っていることに気づく。

右に『龍星軍』、左に『総長』と、ぬわれていた。


こんな場所にまで、ぬい付けるんだ・・・




(アピールがすごいなぁ~)




感心しながら、ひっくり返して背中部分を見る。

そして、ドキッとした。




「わっ!?龍・・・・!?」




そこには、大きな星の模様からはみ出すように、龍の姿がぬわれていた。

その龍に被るように3つの文字が刻まれていた。

指で、それらの文字に触れながらつぶやく。





「龍星軍・・・・・・・・・!」





この背中の3文字を覚えてなかったばかりに、瑞希お兄ちゃんと再会するのに6年もかかった。

今思い返せば、こんな形の漢字だったと思える。

それを床に置いて広げる。

ジャンバーと同じ長さの丈の上着を、改めて見直す。

じっと観察する。




「すごい刺繍~・・・・カッコいい・・・・」




(これを今夜、私が着るの・・・?)





そう考えただけで、鳥肌が立つ。

ドキドキだけじゃなく、ワクワクもしてきた。