彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




すごいなぁ~と言う私に、瑞希お兄ちゃんだけじゃなく、他のお兄さん方も声をあらげる。




「おいおい、きっついだろう~これ!?凛たん感心してるけど、お前が着るんだぞ、フリル?」

「まったくだ。どこの宝塚の衣装だ?宝塚の女役が着るような、ヒラヒラではないか・・・」

「俺様の後輩を名乗る凛助に、こんな軟弱なもん着せる気か!?ピラピラ過ぎだぜ!?」

「烈司と、伊織と、皇助の言う通りだ!?何の真似だ、モニカ!?」


「なにって、凛ちゃんには無理して男らしくしなくていいってことじゃない?男の子なんだから、それでOK―!」


「大馬鹿野郎―――――――――!!」




OKマークを作りながら言うモニカちゃんに、瑞希お兄ちゃんが怒鳴る。




「ばか野郎!こんなインパクト強すぎのレース服を、凛に着せて集会にだせるか!?」

「なに言ってんの、みーちゃん?1人暴走族なら、目立たせてなんぼでしょう~?」

「ふむ・・・それも一理あるな。」

「納得するなよ、伊織!チェンジだ、チェンジ!モニカ、別の服を出せ!」

「しょうがないわね~代わりって、ことになると~パンクボーイ的なのと、ロリロリ系の奴と~」

「普通の特服は用意してないのかよ!?」

「あたし的には、これが普通よ~」

「やかましいわ!誰だよ、こいつに衣装係り任せたのは!?」

「瑞希だろう。自分で言ったことを、忘れてどうするんだ?馬鹿者め。」

「くっ!そうでしたな、こんちくしょー!!つーか、オメーは、どっちの味方だ伊織!?」


「中立。」

「む、むかつく・・・・!」




涼しい顔で眼鏡を直しながら言う獅子島さんに、頬をふくらまして怒る瑞希お兄ちゃん。

そこで、パンパンと手を叩く音がした。






「はいはい!お遊びはこれぐらいにしましょう~!あ~楽しかったぁ♪」


「モニカちゃん?」

「楽しかっただぁ~!?」





首をかしげる私と、睨む瑞希お兄ちゃんを交互に見てから、オネェさんは笑顔で言った。





「今のは、今後着てもらう予定のお洋服よ~本物はこれよ、凛ちゃん♪」

「えええええ!?」





そう言いながら取り出したのは、フリルが全くついていない城の特服。




「こっちが本物よん♪」

「そっちが本物ですか!?」




〔★モニカのフェイク攻撃、凛達はだまされた★〕