彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




みんな、平気な顔をしてるけど、きっとまだ・・・



(だから、流す形で、話題を切り上げたんだ・・・終わらせたんだね・・・)




胸がチクっとしたけど、それ以上聞くのはやめた。

問題が問題だから、そっとしておいた方がいいのだと思った。

その反面、ニコニコしながら話す瑞希お兄ちゃん達を見て思う。



(こういうところが、他の人と違うのかな・・・?喧嘩が強いだけじゃなくて、メンタル的に強いのかも・・・。)



力とは違う強さを見せつけられた気がした。

何も言えずに黙っていれば、優しく瑞希お兄ちゃんが言う。




「ははは!いろいろ言われたら、迷っちゃうか?けど、遠慮はいらないからな、凛?」

「・・・ありがとうございます。」



今の私にできるのは、瑞希お兄ちゃんに合わせること。



「僕、お肉が食べたいです。牛でも、鳥でも、ブタでも、なんでもいいです。」



でしゃばらず、傷つけず、でも自分の気持ちは言うこと。



「じゃあ、カテゴリーは肉で決定な~!?」



そうすれば、瑞希お兄ちゃんは私に笑顔を向けてくれる。

私の大好きな表情で、優しく頭をなでてくれる。

私の望みはかなうのだから。



「わははは!俺様一押しの肉で決まりだぜ!?どこ行く!?」

「だれも、あんたの意見通したわけじゃないわよ!?凛ちゃんがお肉食べたいって言うから、お肉にしたんだから!そうね~やっぱり、ささみが美味しい『ドロップ』さんでしょう~?」

「凛たんが言うなら、肉にするしかないな~俺はどっちかって言うと、『蓮華』がいいわ。豚トロが美味い!」

「馬鹿者共が。凛道はなんでもいいと言っている。好きに選べる『ニーズ』でよかろう。なぁ、瑞希?」

「よし!『ニーズ』に決定!!」



お墓を抜け、石段まで来たところで、食べるものと食べに行くお店が決まる。