彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




「グっズン!!グッズン!!」


(あれ?)


「お、おいおい!いくらなんでも、すすりすぎじゃないか、凛?」




耳に届いた鼻づまりの声を聞き、瑞希お兄ちゃんが戸惑いの声をあげる。




「ずいぶん、汚ねぇ~音になったな!?ガチで泣いてんのか!?」

「グスン・・・いいえ、これは―――――――・・・・」


「ズビズビ!グッスン!!」


「「え?」」




私の声と、鼻をすする声が重なる。




「今のは・・・・・」

「凛じゃなかったな・・・」




前にも、同じことがあったと思いながら顔を見合わせる。






「グッズン、グッズン・・・・」



(あれ?じゃあ、この声は――――――――?)





「「誰?」」





瑞希お兄ちゃんと声をそろえて聞く。




「烈司さん!」

「烈司!」


「また俺かい。」




再び起きたデジャブ。

さっきみたいに聞けば、苦笑いで男前は言う。



「今度も、ここにいる俺ら以外だろうな~」

「もう、やぁーだ!れーちゃん!今度こそ、幽霊!?次は本物!?」

「わはははは!今度こそ、ぶっ飛ばしてよな!?ろくろ首とか、いったん木綿とかよぉ~!」

「お前はもめごとにしないと気が済まんのか、皇助。さっきの円城寺達を見つけたように、声をたどるぞ。お前ら、静かにしろ。」

「そうやって俺らを見つけたんかよ・・・」

「静かにしろよ、大河!」

「カンナの方がうるせぇぞ?」

「おい、あっちから声がしないか?」



そう言って、爆裂弾一背が高い男子が指さした先。



「あそこは・・・・・?」

「円城寺君達が、隠れていた場所より後ろのお墓??」



「「「「え?」」」」

「「「「後ろ・・・・?」」」」



瑞希お兄ちゃんと私の言葉に、全員が固まる。




「グッズン、グッズン・・・・!」


「「・・・。」」




私と瑞希お兄ちゃんは、顔を見合わせてうなずく。



「カンナさんは、ここにいて。」

「凛!?」

「・・・・念のためです。」



腕にくっついていたカンナさんを残し、瑞希お兄ちゃんと二人ですすり泣き(?)がする場所へ向かう。



「グッズン!グス・・・・ズズビー!!」



近づくにつれ、すすり泣き(?)が大きくなる。




(絶対、幽霊じゃない気がする・・・・・)




さっきとは違い、少しだけ冷めた気持ちで進む。

足音を消し、静かに身をかがめてのぞき込めば―――――――――――






「あ?」

「「あっ!?」」



人がいた。



(やっぱり、人間だった!)





幽霊じゃないことにホッとしたけど、あまりホッとできなかった。

そこにいたのも、見覚えのある人物だったから。