彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




「悪い思い出のまま、終わらせたくない。」

「なに?」


「『龍星軍』は、瑞希お兄ちゃんが作ったチームだから、あの人の中でいい形であってほしい・・・・それを変えたいんだよ。」




そう、瑞希お兄ちゃんを苦しめる存在なら消したい。

消すことができないなら、上書きをしたい。




「最初はただ・・・・・・真田瑞希さんの側にいたいだけだったんだ。」




それがいろんなことが重なって、男装女子になっちゃったけど。




「瑞希さんが楽しくて、僕も楽しくて、みんなが嫌な思いをしなくなるなら――――――――『俺』が汚れ役すればいいだろう・・・・?」




あの人が、好きな人を守れるなら。




「不平不満、上等だよ。」




どんな形でも、彼に好きでいてもらえるなら。





「俺が、龍星軍の4代目の頭だ。誰にも譲る気はねぇーよ。」





固い決意で、この立場を選んだ。

円城寺君の気持ちもわかるけど、私の方が強い。



(瑞希お兄ちゃんを思う気持ちは、私が一番だ。)




ずっと、ずっと、探し続けた大好きな人。

ストーカー呼ばわりされてもおかしくない。

そんな私を、彼は無条件で受け入れてくれた。

だから、彼に答えたくて、側にいたくて立候補した。



「一番とか、最凶とか、伝説なんか関係ない。俺は俺であり、龍星軍は中二病的な馬鹿をやるためのグループだよ。それが、俺から始める龍星軍だ。」

「オメー・・・・・」

「・・・・ごめんね、円城寺君。君が描く龍星軍とは違うと思うけど、俺が四代目を張る間はそうさせてもらう・・・・。間違っても、死人は出さねぇー・・・!」



私にメンチを切る顔へ、自分の顔を近づける。




「俺のやり方が気に入らねぇーってんなら、いつでもケンカ売って来いよ・・・!もっとも、俺は平和主義者だから、買うとは限らねぇ。けどな――――――――――」




コツンと、おでこ同士が当たるけど気にせずに言った。




「大事なもん守るためなら、遠慮なくそいつには死んでもらうぜ・・・!?」



漢らしく、睨みながら汚い言葉を使う。

これに円城寺君は表情を崩さず、私をにらみ続ける。





「「・・・・。」」





お互いに、何も言わず、額をくっつけたまま、メンチを切り合った。