彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)







(わ、私に!?)



「ハンデでタイマン!?」



・・・・しろって言うの?






怖々、声にならない、マスクの下から口パクで聞く。

これに男は嬉々とした顔でうなずく。





「喜べ!オメーにはその権利が与えられた!」


「ええーっ!?」


「俺様公認で殺しあいしてよし!!いいだろう~!?」



〔★とんでもない権利だった★〕



「いりいませんよ!!」



得意げに言う相手に、ちょっとちょっと!と、今度は私が苦情を訴える。





「そんな権利いりません!むしろ、断る権利が私にはあります!!」




(むしろ、ありがた迷惑だし!!)




〔★凛は正論を吐いた★〕
〔★一歩も引く気はない★〕



これに対して百鬼の方は・・・





「決まったことだ。」

「はあ!?」




〔★問答無用に跳ね返した★〕




「この場をしきるのは俺様だ!俺様がルールであり、俺の主張が優先される・・・!」

「な、なにその無茶な主張!?」

「黙れっ!そう言う法律の下、今夜は動いてんだ!それを知ってここに来たオメーは有罪!拒否権はねぇーぞ・・・!?」

「なにそれっ!?」



〔★究極の俺様主義が発動した★〕




(そんな理由で戦わされてたまるかっ!)



というか、知ってて来てるって思われたのならー・・・!?



「待ってください!誤解です!」

「あ?ここは地上一階だ。」

「そうじゃないです!!知らなかったんですよ!」

「なにが?」

「あなたが言うルール!」



(コイツの言いなりになってたまるか!)



そう思ったから説明した。




「今夜のタイマンのことは、まったく!!知らなかったんです!知らずに、円城寺君を運んだだけです!」

「知らねぇだ?」

「そうえすよ!まったく知らずに来たんだから、関係ないはずです!」



〔★凛は無罪を主張した★〕
〔★身の潔白を主張した★〕




この言葉に、男は一息ついてから言った。






「俺様が法律だ。」

「えっ!?」




眉間にしわを寄せながら、シビアな顔で告げる。





「俺様が白と言えば、白。有罪と言えば有罪・・・わかったか、被告人?」

「えええええええええ!?」




〔★凛の意見は却下された★〕
〔★俺様発言で無視された★〕




「グダグダ言わずに、ちゃっちゃっとタイマン張れやコラー!!」

「そ、そんな!」



(ホント、なにそれ!?)



〔★凛は怒られた★〕
〔★理不尽な扱いに、体の震えが止まらなくなった★〕




(むちゃくちゃすぎる!!)



あり得ないことを言う百鬼に、私だけでなく、怪我人である少年も血相を変える。





「ふざけんなっ!!」

「え、円城寺君!」




怒りに震えた声を出すと、すごいスピードで命じた男の側まで行って抗議した。




「百鬼さん!俺は今すぐ戦える!ハンデはいらねぇ!」

「馬鹿言うな。今回のご褒美が何か忘れたのかよ?」

「なに!?」

「ご褒美を出す側は俺なんだ・・・!楽しませろよ・・・!?」





そう語る顔を見て思う。




(こいつ・・・悪いヤンキーだ・・・)




今まで見た中で一番悪い。

同じヤンキーでも、瑞希お兄ちゃんとは正反対・・・






(そうだ!瑞希お兄ちゃん!)






私には、瑞希お兄ちゃんを探すという目的がある。

こんなところで、喧嘩してる場合じゃない!

タイマンなんかさせられてたまるか。



(私の仕事は、大嵐山まで、円城寺大河を運ぶだけだったはず!!)





「ま、待ってください!無理です!」

「はあ?」

「私は、タイマンとか無理ですよ!」





にらみ合う百鬼と円城寺君の間に、割って入りながら訴える。




「その・・・元々、円城寺君をここまで送ることしか頼まれてないので~・・・なによりも、喧嘩はしない一般人ですから、つなぎでタイマンをすると言うのは無理でして~」

「別に、勝ち負け決めろとは言ってねぇ~オメーの戦い方に興味出ただけだ。なぁ?」





そう言って首だけで後ろを向く百鬼。

それに合わせて、プップッーとクラクションが鳴る。




「誰・・・?」

「俺のツレだ。今夜のスペシャル来賓だ。」

「はあ・・・?」




ツレ?

来賓?

え?ツレ?



(まだ・・・こんな奴がいるの・・・・!?)



車のヘッドライトでまぶしくて見えないが、数人の人間がこっちを見ている気がした。



〔★間違いなくみられている★〕