彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




「てゆーか、みーちゃんはあたしが救急セットを持ち歩いてるのは知っってるでしょう?ヤンチャ時代から、手当てしてあげてるでしょがう~?」

「そうだけど!そうだったけど!準備よすぎなんだよ、オメーは!?」

「ねぇ~?気の利くいい女でしょう~?」

「最高の女性です!ということで、瑞希お兄ちゃんの手当てをお願いします、モニカちゃん!」

「お任せちゃんよ~!おいで、みーちゃん!」

「なっ!?おい、うわ!?」




私のお願いに、両手でハートマークを作ってから答えるモニカちゃん。

そして、素早く瑞希お兄ちゃんを引き寄せて手当を始めた。




「よかったぁ~!瑞希お兄ちゃんはこれでいいとして~」




好きな人の治療が始まったところで言った。




「どーして、フジバラさんは僕を捕まえなかったんでしょうか?烈司さん?」

「俺に聞くんかい。」





えへ♪と、愛想を振りまきながら聞く私。

これに男前の先輩は答えてくれた。




「バラさんが、凛たんを捕まえなかった理由となると~・・・・」

「なんでしょう?」

「わかんないなぁ~」

「わからないんですかっ!?」



私の問いに、ヘラッと笑うと言った。



「凛たんも自分で言ってるだろう~?『本人じゃなきゃ、わからない』ってよ?」

「う!?それは、そうですけど・・・・」

「けど・・・予測ぐれーは出来るな。」

「予測?」



そう告げた時の烈司さんの顔は、もう笑ってなかった。

真面目な顔で私を見ながら言う。



「きっと・・・・捕まえる気で脅してはいた。悪い芽を摘むために、わざわざ俺らが墓参りに来た日を選んだのは、死んだ陽翔に見せつけるためだったんだろう。」

「な、何を見せつけるんです?」

「お前の二の舞はさせない、ってところかな。」

「え?」

「バラさんが、陽翔を好きかどうかは知らねぇ。でもな・・・墓参りをする気はあったんだろう。ほら、忠臣蔵って時代劇があるだろう?」

「あ、はい。主人のカタキを取って、カタキの首をお墓に供え――――――――あ。」



そこまで言って気づくのと、烈司さんがニヤリと笑うのは同時だった。