彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





「ごめんな、陽翔。」



そうつぶやくと、やっと私を見る瑞希お兄ちゃん。



「・・・・流れ星を見つけちまったら、お願いごとをしたくなったんだ。」

「流れ星??」

「おう、俺の目の前にいるお前よ、凛。」


そんな言葉と一緒に、伸びてきた手が私の頬にふれる。


(え!?私!?)



瑞希お兄ちゃんの中じゃあ、お星さま的なポジション!?


布越しでも伝わってくる好きな人のぬくもりに戸惑う。

それに気づいたのか、なだめるように頬を撫でながら瑞希お兄ちゃんは語る。



「俺は、凛が気に入っちまったんだよ。大事にしたくなった。」

「瑞希お兄ちゃん・・・・」

「お前からしたら、陽翔・・・・・・・面白くねぇと思う。だからと言って、凛を恨まないでくれよ?憎むなら俺を・・・・俺の方に化けて出てきてくれ。」

「瑞希お兄ちゃん、そこまで・・・!」




そこまで私のことを思ってくれてるの?





「それが、俺が陽翔にできる償いだ。」


(つぐない?)



「俺はお前にそれだけのことをしたからな。」





冗談ではない顔と声で言う相手に、せっかくの安心感がなくなっていく。


なにそれ?

その言い方だとまるで、伊吹陽翔さんが瑞希お兄ちゃんを恨んでも許されるってことみたいじゃない?



(そこまで、伊吹陽翔のことを思っているの?)



「だから、凛だけはかんべんしてくれ。お前も、今までのやり取りでわかっただろう?こういう男の子なんだよ、凛は?悪だけど、悪らしさがなくて、馬鹿するにはいい感じの馬鹿で・・・陽翔にもそれを教えたかったんだ。ちゃんと紹介になったよな?」

「瑞希お兄ちゃん・・・」




(まさか・・・・・それが私を、伊吹陽翔のお墓に連れてきた理由?)