彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



「お前と比べれば、陽翔。凛の方が素直で、優しくて、聞き分けがよくて、気が利くいい子だ。」

「や、やだな~褒めすぎで~」

「お前に比べたら、陽翔。体は小さいし、細いし、喧嘩の経験地が低くて、単車オンチで、見ていて心配だ。単純でお人好しでガキすごるから、1人にできない。安心できねぇー」

「褒めてませんよね!?あと、単車は乗れるようになりましたよ!?」

「まぁ、一番違うのは・・・・・これからヤンキーを『はじめる』ことだ。」



そう言った瞬間、瑞希お兄ちゃんの顔から笑みが消えていた。



「それもあるから、陽翔の時みたいに放置はしない。俺がケツ持ちで、バックにつくつもりだ。」

「瑞希お兄ちゃん・・・」

「俺は、陽翔達がくたばった時、なにもしてやらなかった。『見殺しにした』は『殺した』と同じことだ。」

「瑞希お兄ちゃん!?それは違い―――――――」


「違わなくないんだ。」



スっと、私の口元に手を当てて言葉を封じる。

彼は墓石を見たまま言った。




「俺はお前が死んだ日、二度と龍星軍は結成させねぇと誓った。けど、本日を持って、その誓いを破らせてもらう。」

「瑞希お兄ちゃん!?」


「俺を慕ってくれていた『お前』を大事にしないでおいて、俺は別の『奴』を大事にすることにした。」




そう語る眼は私を見てない。



「誰かに譲りたいとも思わなかった龍星軍の頭の座を、俺はコイツに譲る。」




私の口をふさいでいた手を離す。

その動きに合わせ、私の背後へと移動する瑞希お兄ちゃん。

そして、私の両肩に手を置きながら告げる。





「お前の後輩として陽翔、4代目龍星軍総長を凛道蓮に任せる。」





伊吹陽翔の墓へ、2代目に向けて言っていた。



「陽翔のことを教訓に、俺は凛をサポートする。バックについて守る。」

「瑞希お兄ちゃん・・・・」

「だから、陽翔―――――――」




冷たく冷えた声で言うと、無表情で言った。







「俺を許さないでくれ。」

「え・・・・?」





涼やかの声が、残酷な言葉をつむぐ。






(ゆるさないでくれ?)






「瑞希、お前まだそんなこと――――――!!」


「最後まで言わせろよ。」





何か言おうとする烈司さんを制止すると、目を細めながら瑞希お兄ちゃんは言った。