「ぶっはははははは!こりゃあいい!!」
ふいに、大きな笑い声が響く。
「いいじゃんか、お前!型破りじゃんか!?」
「え?」
そう言ったのは、大柄の男。
私が庄倉に激突する様子を、目を丸くして見送った人。
ただひたすら、私達を傍観していた人物。
その姿を改めて見て思う。
この男は、まさに・・・
(純度100%で元ヤン・・・・!!)
絶対に、元ヤンキーだと言える風格。
ヤンキーor不良としか言えない感じの人。
〔★申し分ないヤンキーだ★〕
危険な香りがしたので、笑顔で警戒しながら言った。
「それはありがとうございます。お褒めのお言葉を頂けて嬉しいです。そういうわけですので、私はこれで・・・。」
カゴの凹んだ自転車をそそくさと起こすと、足早にその場から去ろうとしたが・・・
「まぁ、待てよ。」
「はい?」
話し相手だった大男に、呼び止められる。
「そんなに急ぐことねぇだろう・・・つれねぇなぁー?」
「え?」
正面からしたはずの声が後ろから聞こえた。
「せっかく来てもらったんだ。さようならは、させないぞ?」
「え・・・・?」
耳元で響く声と、動かない自分の体にギョッとする。
(ま、回り込まれた!?)
気づけば、不自由の身。
いつの間にか、背後に回り込まれ、体を拘束されていた。
「な、なにするんですか!?」
「そんな興奮すんなよ〜?今までの活躍見事だ。褒めて使わす。」
時代劇風に言うと、私をのぞき込みながら言った。
「俺は百鬼。百鬼皇助だ。わかるよな?」
「・・・・その百鬼さんが、なんでしょう・・・・?」
知らない名前だけど、言い方からして大物らしい。
怖々聞けば、牙の様な犬歯を見せながら口を開く。
「お前、大河が用意してた切り札か、なんかだろう?」
「はあ?」
「大河はあんなんだからよ。こりゃあ、タイマン無理だろう?」
そう言って、仲間らしい2人の少年に守られている円城寺君を見てから男は言った。
「俺様が許す!!お前、円城寺大河の代わりに庄倉愛雄とタイマンしな!」
「はあっ!!!?」
(タ、タイマン!!?)
初対面の人から言われた言葉。
私はすぐに意味が理解できず、マスクで隠れた口をポカーンと開けて固まるしかなかった。


