彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



瑞希お兄ちゃんの言うことが本当なら。

私の言ったことで、瑞希お兄ちゃんが楽になれたのなら―――




(少しでも、罪悪感から解放されたのならそれでいい!!)




苦しさが減ったなら、それがいい!




(私が苦しいのはいいけど、大好きな人が苦しむのは嫌だもん♪)




嬉しくて、にやけそうなのを我慢していたら、さらに瑞希お兄ちゃんは言う。





「ホント、凛にはいろいろ学ばせてもらってるよ。なぁ、せんせー?」

「せ・・・!?からかわないでくださいよぉ~!べ、勉強なんてそんな!恐れ多い!僕の方が、瑞希お兄ちゃんから教えてもらっているばっかりですよ!」




真面目に語る彼に、恥ずかしくなる。

両手を横にふりながら、とんでもない!と連発していれば、やわらかく微笑んでから瑞希お兄ちゃんは言った。




「そこがいいんだよ。凛のそういうところが、俺はすっげー好きだぜ?」

「すっ!?」

「矛盾してることは、わかってんのにな・・・。」

「え?」




好きだと言って喜ばせておいて、声のトーンを落としてつぶやく瑞希お兄ちゃん。



「なににですか?」



思わず聞き返せば、低い声で教えてくれた。





「凛に族をさせること。」

「はい・・・・?」





突然変わった話。

短くつぶやくと、青く澄んだ空を見上げながら言う。




「陽翔で後悔してるはずが、凛に龍星軍を継がせるとか・・・同じ間違い繰り返してよ・・・。本当なら・・・・あいつらみたいな犠牲者を出さないためにも、龍星軍の特攻機はクローゼットの奥で寝かせとくべきなんだ。」

「それは――――――・・・・仕方ないですよ!円城寺君がエントリーしたから、そうもいかなくなったんじゃないですか!?」

「大河には、悪いことしたと思ってる。けどな・・・・やり直しがきくなら、『大河』じゃなくて『凛』だって、俺は思ったんだ・・・」

「僕でやり直し・・・??」



「ああ・・・今度は―――――――守ってやりたいからよ・・・」




そう言って、空から私へ視線を移す目は、どこか儚(はかな)い。

不思議な色気みたいなのもあって、ドキッとしてしまう。

顔が熱くなって、鼓動が早くなる。

そんな彼から目を離せなくて見ていれば、静かに赤い口元が動いた。