彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




わずか数秒の出来事だったけど、とても長く感じた。

その静寂(せいじゃく)をやぶったのは、手を合わせていたおじさんだった。



「俺は自分の言葉を、言い過ぎだとは思わねぇ。」



目を開けて、そう言いながら立ち上がる警部さん。



「瑞希が陽翔達のバックについて目を光らせてれば、こいつらは死ななかった。」



墓石を見ながらフジバラは静かに告げる。



「『龍星軍』が4代目を立てて復活するとわかれば、今日のところは収穫ありだ。」

「え!?」

「本当は・・・未成年が煙草の火を持ってる=喫煙してるって理由で、しょっぴきたかったが、つまようじの入ってるライターじゃ意味ないからな?」

「つまようじのライター?」



聞き返す、瑞希お兄ちゃんの言葉で思い出す。




「あ!?だからおじさん、しつこくライターとかマッチとか、持ってないか、僕に聞いてきたんだね!?」



〔★セコイおまわりさんだった★〕




気づいた事実を口にすれば、瑞希お兄ちゃん達が怒りながら言う。




「テメー!よくも凛をハメようとしやがったな!?」

「そうよそうよ!あたしだってまだ、凛ちゃんをハメてないのに!」

「ハメるな、馬鹿!マジで、凛を狙ってんのかよ、モニカ!?」

「別に~?みーちゃんはいいわよね、好かれててー?」

「モニカのことはさて置き、やることが卑怯だぞ、フジバラさん?」

「わはははは!さすが、少年安全課きってのゲスい男!!」

「俺らの前で、凛たんに勝手したら、ただじゃおかねぇぞ・・・!?」


「うるせぇよ、5レンジャー共!未遂(みすい)で終わったんだから文句言うな!」




悪びれることなく言うと、私達に背を向けるフジバラ警部。




「・・・・・・・・・陽翔だったら、一発で御用だったのにな?」

「え?」



そして、そのまま歩き出した。





「―――――――――――おじさん!!」





寂しそうな背中に、思わず声をかけてしまった。

それに面倒(めんどう)くさそうに、おじさんは答えてくれた。