彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



「本人でもないくせに、勝手なこと言わないで!!」

「だったらお前も、勝手なこと言うんじゃねぇ!!瑞希を慕う陽翔が瑞希を恨むはずがないって思いこんでんじゃねぇぞ!?」



「そうだよ。」




怒鳴る私にひるむことなく怒鳴り返す大人。

うるさいそいつに、声のトーンを下げてから告げる。




「俺だって、伊吹陽翔さんが最期に何思ったかなんてわからない。」

「なに!?」

「どう苦しかったのか、何をやり残したのか、後悔していたかどうかなんて・・・本人にしかわからないこと。僕もおじさんも、わかるわけない。だって、伊吹陽翔じゃないから。」

「・・・お前・・・」

「だから、僕らが勝手に伊吹陽翔さんの考えだって決めつけて、好き勝手に語って良いことじゃない。」

「凛・・・・!?」




そう、本人じゃないからわからない。

死んでしまった人間がどうしてるかなんて、実際はわからない。

わからないけど・・・




「あなたが言ったことは間違ってる!僕が伊吹さんの気持ちを想像して言ってるだけじゃなく、その妄想で人を傷つけた!いくら元ヤンだからって、悪いことしてたからって、どんなことを言っても許されるって思うな!!」




わからないからこそ、触れちゃいけない。




「おじさんが言った言葉は、おじさんが満足するために言った言葉であって、伊吹陽翔の言葉じゃない!真っ赤なニセモノだっ!!」


「・・・・凛・・・・」




かすれた声で私を呼ぶ瑞希お兄ちゃん。

その声に後押しされる思いで、きっちりとトドメを刺した。




「僕の言い分が間違ってるなら、指摘してみろ!言いたいことがあるなら、言ってみやがれフジバラコジロウ!!?」

「っ・・・・!」




私の質問に、顔をゆがめるだけでおじさんは何も言わない。




「文句がないなら、自分の行動に責任を持って!」

「責任、だと・・・?」

「そうだよ!!」




反論できないおじさんをにらみながら、私は利き手で指さしながら言った。