彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



「凛!!」




そう思っていたら名前を呼ばれた。

私の大好きな声。




「凛・・・っ!!」


(瑞希お兄ちゃん・・・!)




愛しい元ヤンのお兄さん。

視線を向ければ、泣きそうな顔と目が合う。

うぬぼれてるわけじゃないけど、心配そうな表情で私の名をつむいでくれていた。

その姿に、感動のような、切なさのような、いろんな気持ちが一気に押し寄せる。





「―――――――――――瑞希お兄ちゃん!!」




だから、迷うことなく瑞希お兄ちゃんの元へと向かった。

一目散に瑞希お兄ちゃんの元へ駆け寄り、その胸に飛び込んだ。





「瑞希おにいちゃーん!」

「凛っ!!」




そんな私を、瑞希お兄ちゃんは無条件で抱きしめてくれた。

でもすぐに、私を引き離すと言った。



「このばか!!お前・・・・!なんて、バカなことしたんだ!?」

「瑞希お兄ちゃん?」


なんで怒ってるの?

そんな思いで名前を呼べば、伝わったのか、怖い顔で言われた。



「お前がブッ飛ばした相手は、ポリ公だぞ!?手ぇ出したら、どうなるかわからないわけじゃないだろう!?この馬鹿!!」

「っ――――――――――馬鹿だよ!」




私を馬鹿だと言う大好きな人に、そうだと答えた。




「俺は馬鹿だよ!大馬鹿野郎だよ!」

「凛!?」

「とんでもなく、馬鹿だよ!馬鹿だから――――――――――バカなことするんだよ!!」




非難めいた顔をする瑞希お兄ちゃんに言った。

馬鹿なりの考えを。




「これ以上、自分を責めないでよ、瑞希お兄ちゃん!伊吹陽翔さんが死んだのは、瑞希お兄ちゃんのせいじゃないよ!伊吹陽翔さんは、そこまで寿命だったんだ!早く死んじゃう運命だったんだよ!」

「凛・・・・」

「運命だったから、それ!変えられなかったから!だから・・・!」




ガバッと瑞希お兄ちゃんに抱き付きながら訴(うった)えた。