「ガキの分際で~!?大人なめてんのか!?」
「なめてんのは、お前らだ!!」
いつもいつも!
(大人は勝手だ。)
そうやって、いつも決めつける!!
私の将来、やりたいこと、してみたいこと!
安全かどうかを判断して、そうじゃなきゃ、賛成しない。
可能性をつぶす。
(ヤンキーだったからって、娘を助けた恩人を探すことをやめた私の両親みたいにーーーー!!)
この大人も同じだ。
(自分の考えで、ものを言ってる!!)
「死んだ伊吹陽翔が、瑞希お兄ちゃんのせいで死んだって言ったわけでもないのに!!」
立て直しかけた体勢を崩した男に、その体にまわした両手の力を込めながら叫ぶ。
「瑞希お兄ちゃんが悪いって言ったのを聞いたこともないくせに!!」
「なっ―――――――――!!?」
グッと、上体をそらす。
「瑞希お兄ちゃんのせいで不幸になったなんてデタラメなこと言うなぁ―――――――!!」
「おおおおおおおお!?」
おじさんを背後から抱いたまま、一緒にブリッジした。
「「「「「あああああああ!?ジャーマン・スープレックス!!?」」」」」
ズドーン!!
〔☆良い子のためのワンポイント解説☆〕
ジャーマン・スープレックス:プロレス技の一つで、後ろから相手の胴をしっかりつかんで反り投げること。ブリッジで、固めるも技のことだよん♪
私が技を決めたのと、技の名前を瑞希お兄ちゃん達が叫んだのは同時。
「ぐう・・・・!?」
「人殺し、人殺しって・・・・簡単に言うな・・・!!」
ブリッジ体勢のまま、うめくおじさんに伝えた。
「言われて傷つくのは・・・本人じゃない・・・!その人の側にいて、瑞希お兄ちゃんを大事に思ってる周りの方だ・・・・!」
「なっ、に・・・!?」
そう、嫌だったのは瑞希お兄ちゃんだけじゃない。
烈司さんも、モニカちゃんも、獅子島さんも・・・きっと百鬼も。
みんな嫌だったはず。
だけど一番嫌だったのは・・・
(私だ・・・・!!)
瑞希お兄ちゃんを、愛してる私。
(好きな人を、瑞希お兄ちゃんをいじめる奴は許さない!!)
「瑞希お兄ちゃんを苦しめるなら・・・・お前なんて、殺してやる・・・・!」
脅しを込めて言ってから、おじさんの腰から手を離す。
ドサッ!
それでダメージを受けたおじさんの体から力が抜ける。
無防備な私にのしかかる。
「うっ!?」
(重たい!最悪この人!細く見えて、実はデブだよ~~~!!)
「こんっのっ!」
ガシッ!!
なんとか、おじさんの体を横にずらして落とす。
地面へ横倒しで転がした。
「がっ!?」
それでおじさんが低くうめいたけど、関係ない。
(瑞希お兄ちゃんは、痛くても苦しくても、うめかなかったもん!)
その程度の痛み、瑞希お兄ちゃんと比べれば楽でしょう!?
さげすむ思いで、おじさんの体の側から這(は)い出る。
このおじさんに対して、同情なんてありえなかった。


