彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



「ガキの火遊びは、けっきょく大人が後始末をする。お前が、瑞希に何を言われたか知らねぇーが、命があるうちに手を切りな!」


私をガン見しながら言うおじさん。


(冗談じゃない!)




いきなり現れた人に、瑞希お兄ちゃんと別れろなんて・・・!そんな命令に従いたくない!




(せっかく順調に交際してるのに、別れてたまるもんですか!)



〔★交際ではなく、交友である★〕




はっきり言おう!!


「おじさん!僕は嫌です!絶対にーーーー」

「瑞希と凛を別れさせねぇぞ!!」




瑞希お兄ちゃんと別れないと言う前に、別の人が言った。



「いい加減にしろ、フジバラ!!」

「烈司さん・・・・!」



瑞希お兄ちゃんの側で、彼をかばうように立っていた人。

これから事件でも起こすんじゃないかという顔で言い放った。



「瑞希だけじゃなく、凛にまでなに言いやがる!?別れさせ屋気取りか、バラし屋が!!」

「真実だろう!?俺の言ってることが間違ってるなら、どこが違うか指摘してみろ、宗方烈司!?いや、お前よりも賢い獅子島伊織の方がいいか!?それとも、女らしく、ひどいと泣き叫ぶか朝霧モニカ!?こんな時でも、自分が楽しむことしか考えてないだろう、百鬼皇助!!?」



私をつまんだまま、先輩達を指さす。



「ぐ・・・」

「チッ!」

「うっ・・・・」

「ふん!!」




それに怖い顔で、誰も反論しない。

歯ぎしりして、唇をかみしめるだけ。




(・・・・・・・・痛い。)



胸が痛い。

ズキズキする。

何も言わず、吐かれる冒険を静かに聞く瑞希お兄ちゃん。

反論しないで、黙る彼。

否定しないで、おじさんの言い分を受け入れるような姿。




(やめて・・・・)



これ以上は、やめて!



耐え切れなくて、お供えの花を持ちなおす。

ポケットに入れていた軍手を取り出し、両手にはめながら頼む。