彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




「な、なにが自転車で運んだだよ!?むちゃくちゃしやがって!」

「・・・・・無茶は君でしょう?元赤中の庄倉君?未来がした卑怯な手段に比べれば、可愛いものだと思うけど?」

「なに!?」

「違うの?1人で勝てないから、寄ってたかって、円城寺大河君をだまし討ちにしたんだよね?それで負けて、高千穂カンナさんも襲ったけど、1人じゃどうにもならなくて、仲間を大勢呼んで捕まえたんでしょう?」

「て、てめー・・・!」

「なに?文句があるの?おかしなところあった?じゃあ、弁解してごらんよ?」

「なんだその口の利き方!?俺を誰だとー!?」

「『小物』で有名な、羅漢の庄倉君でしょう?ほら、言いたいことあるなら言いなさいよ・・・死体に化けちゃう前に・・・!!」




4大不良中学の頂点の一人相手に、そいつは物怖じすることなく堂々と言った。






「言えよ、姑息で卑怯しかとりえのない庄倉さん・・・!?」






聞いているこちらまで気圧されるような発言。

それに言われた本人は、怒りながらも、激しく狼狽する。




「なん・・・何なんだよお前!?意味わかんねぇ!何者だよお前!?お前誰だ!?」




取り乱しながら聞く庄倉に、自転車で現れたそいつは言った。





「あ、私ですか?私はですねー」





ついに明かされる名前。

庄倉だけでなく、俺もこの場の全員も固唾をのんで見守るが。








「ご覧の通りの一般人です。」







あまりにも。


あまりにもくそまじめに答えるそいつのおかげで、俺と悠斗の殺気がそがれた。


同時に、少し離れた灯台の鐘が鳴り響く。


12時を知らせる音。






「間に合いましたね?約束の時間に。」






どこまでも。



あくまでも、落ち着いた口調で告げる【自称・一般人】


得体の知れないこいつの登場によって、辺りは不気味な静けさへと変わった。