彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




つまらない嫉妬で、瑞希お兄ちゃんに八つ当たりしたこと。

そのことが、とげとなって心に突き刺さる。



(怒ってる!嫌われた!でも、謝らなきゃ!)




ごめんなさい!

許して下さい!

もう二度と、生意気言いませんから、嫌いにならないで!!




「お、お兄ちゃん!瑞希お兄ちゃん、ごめ――――――!!」

「凛から離れろ!!フジバラ!!」


「―――――――――え?」




そう言って、私の目の前で立ち止まる瑞希お兄ちゃん。

その視線は、私より横にずれている。




「ふじ、ばら・・・・?」



フジバラって言った?

それって―――――





「フジバラ!!テメーなんで、凛とツーショットきめたやがんだ!?」



(このおじさんのことを言ってる・・・!?)





目だけでチラッと、変質者候補を見る。

彼は何事もないように無表情でいる。




(なにこの人・・・?やっぱり、おかしい・・・・?)




そう思ったのと、瑞希お兄ちゃんから声をかけられたのは同時だった。




「凛、大丈夫か!?そいつになにも、されてないか!?」

「え・・・・?」




優しい言葉と、優しい顔で私に聞いてくる好きな人。

その表情はまるで・・・・




(心配されてる・・・?)



というか、なんかこれって―――――――――



「僕が怒られてるんじゃないんですか?」

「はあ!?なんで、凛を怒ることがある??」




思ったことを口にすれば、肩目を吊り上げた瑞希お兄ちゃんに言い返された。




「花を買いに行ったきり、全然帰ってこないから心配してたんだぞ!?はじめて来た場所で、初めてのお使いに出かけたから~迷子になったのかと思って、探しに行くところだったんだ!」

「え!?僕のこと・・・怒ってないの・・・?」

「あん?だーかーら!凛を怒る理由がないって言ってるだろう?なんで、損な勘違いしてるんだ、お前??」

「だって!今すごく、怒ってたじゃないですか!?」

「いや、違う違う!凛を怒ったんじゃねーの!」

「え?」



「俺がムカついてんのは――――――――――――そいつだ!」




そう言いながら、瑞希お兄ちゃんが指さしたのはフジバラのおじさんだった。