「う・・・痛った~・・・・・!!」
呆気にとられる俺達の目の前で、2人のうちの1人が起き上がる。
「はわあああああああああ!怖かった!無茶しすぎちゃった~!!」
そう叫び、何やら感動しているのは自転車を運転していた方。
顔をバンダナで覆ったほこりまみれの奴。
まったく見たことない奴。
それなりの高さから落ちてきたと言うのに、服を汚しただけで怪我はしてない。
(無傷は・・・・肉の下敷きを使ったからか・・・?)
(人間も、結構いいクッションになるもんだな・・・)
目と目でささやき合う俺と悠斗。
そんな俺らをよそに『そいつ』は、自分の体の土を払ってから、すぐにその視線を移動させた。
「円城寺君!円城寺君、しっかり!!」
「え、円城寺!?」
「あ!?大河!?」
見れば、そいつと一緒にいたのは俺達のマブダチの円城寺大河。
「た、大河!大河!たっちゃーん!」
「マジかよかった!!無事だったのか!?」
「いや、どう見ても無事じゃないでしょう?」
泣きつく悠斗と安堵する俺に、マスク野郎は自分と大河の体をつないでいる縄をほどきながら言った。
「本来ならば、病院へ連れていきたかったんですが・・・本人が大嵐山へ行くと言って聞かなくて。」
「大河が?」
「あと、カンナさんもです。」
「カンナも無事なのか!?」
「無事じゃないです。操は守られましたが、庄倉って奴の仲間に半裸にされて髪の毛をめちゃくちゃに切られたんです。」
「「なんだと!?」」
「彼女も病院へ行った方がいいと思いましたが、『大河を大嵐山に行かせるために囮になる』と言って、羅漢のメンバーのバイクを借りて走り去っていきました。」
「なんにぃぃぃぃーん!?」
「庄倉ぁ・・・・!!?」
そこまで聞かされちゃ、黙ってはいられない。
意識のない大河を支えながら、憎い敵へと視線を向ける俺達。
そして言葉を失う。
「庄倉さん!庄倉さんしっかり!」
「だめだ!白目剥いてる!」
「「うわー・・・・」」
見れば、自転車の下敷きになった下種が一匹。
自転車にぶつけられ、引かれ、引きずられてボロボロになっていた。


