「嘘だと!?」
「はい。こういう場合、心理学では、『人殺し』や『助けて』って叫ぶよりも、聞いてる方も巻き込まれる確率のある『火事』だと叫んだ方が効果的なんです。」
「あ!?なるほど~」
「ねぇ~?そうでしょー?そういうわけで~・・・・・誰かぁ――――!!助けて下さーい!!!」
「って、人を納得させつつ、救援活動再開するな!!」
バタバタ暴れれば、抑え込もうとするおじさん。
(ヤバい!この体格差で、接近戦はまずい!)
雑賀先生ぐらいの身長の不審者。
小柄な私が、正攻法で抵抗しても、かなわない。
(なんとかうまく、逃げる方法は~)
ないかと考えていれば、
「だから俺は、坊やに聞きたいことがあるだけだ!」
「っ!?き・・・聞きたいこと・・・・!?」
私を掴む力を緩めながら、真面目な顔でおじさんが言ってきた。
「そうだ!俺はね、お前さんにライター持ってないか聞きたかったんだよ。」
「ライター!?」
その一言で理解する。
「おまわりさーん!火付けの犯人がここにいます!!変質者じゃなくて放火魔ですよぉー!!消防車を呼んでください!!」
「そうきたか!?」
〔★不審者という見方は変えなかった★〕
〔★凛は相手を犯罪者とみなした★〕
「可能性は、なくはないが~!おじさんに対して、ひどくないか坊主!?」
私に言葉に、監視しつつもおじさんは反論する。
「違うんですか!?」
だから、私も言い返した。
「ライターって、こんな自然があふれる人気のない場所で使いますか~!?110番と合わせて、119番通報でしょう!?」
「別にライターじゃなくてもいいんだ!マッチでも~」
「やっぱり、付け火じゃないですか!?火葬を終えた死者の側で、火を起こそうなんて~!?恥を知りなさい、恥を!」
「ホント、お前は上手い言い回しをするな!?俺は放火魔でも、マッチ売りの少女でもないんだぞ!?」
「ぷっ!!?あははは!少女って~」
「何笑ってんだオメー・・・!?」
「あう!?ちょ、苦しい!苦しい!」
少し笑っただけなのに、眉間にしわを寄せて私の胸ぐらを掴むおじさん。
息が出来なくて、ギブアップという意味で肩を叩き続ければ、舌打ちしながら力をゆるめる。
そして、せき払いをすると言った。


