彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)


(久しぶりにお参りに来たって言ってたから・・・瑞希お兄ちゃんも浮かれてたのかもしれない。)



私も、久しぶりに瑞希お兄ちゃんと会えた時は舞い上がった。

今だって、舞い上がってる。

会えて本当によかったと思ってる。

男の子に間違われてる件は仕方ないけど、龍星軍の4代目になることの覚悟はついてる。

成り行きで、4代目候補を倒し、他のチームをつぶし、円城寺君の学校の番長を倒したりしたけど・・・。




(まさか、会ったこともない先代のお墓参りをすることになるなんて。)




正直、いきなりだったからびっくりした。

ワンクッションほしかったけど、瑞希お兄ちゃんが言い出せなかったのなら仕方ない。


(私としては・・・瑞希お兄ちゃんが苦しむ姿は見たくない!悲しませたくない!ヤンキー時代のことが原因で、バリスタの勉強を邪魔する奴らがいるなら、瑞希お兄ちゃんの代わりに再起不能にしてやるけど~~~!!)





―俺、伊吹陽翔が大好きなんだ~♪凛より可愛いから好きなんだ~!!―



(――――――――私の気持ちを知りつつ、意地悪言った瑞希お兄ちゃんが恨めしいっ!!)



〔★瑞希はそんな言い方をしていない★〕
〔★凛の妄想が一人歩きしていた★〕




(大体、伊吹陽翔ってどんな奴よ!?2代目総長で、不良で、瑞希お兄ちゃんが可愛がっていた後輩ヤンキーしか、情報ないじゃん!?あとは、頑固だとか、やんちゃだとかで~!)



「仕方ない・・・瑞希お兄ちゃんに教えて・・・・」



(って!教えてもらえなーい!!)




聞こうと思って気づく。





(私、見好きお兄ちゃんと喧嘩したんだった・・・・!)




あんな言い方して、すね方して。



(瑞希お兄ちゃん呆れてた・・・)



ううん・・・きっと、烈司さん達も呆れてる。




(せっかく・・・数か月かけて仲良くなったのに・・・)



たった一瞬の感情で、すべてをパーにした。




(・・・・・・全部ムダにしちゃった・・・・)




からい物を食べていないのに、じんわりと目元が熱くなる。

それを誤魔化したくて、ヒロちゃんからもらった飴を食べようとしたのだけど――――





「ねぇ、君。バンダナで口元を隠してる坊や。」

「え?」


「ちょっと、いいかな?」





そう言って、後ろから声をかけられる。

振り返れば、背広姿の知らないおじさんが笑顔で立っていた。