「あいつ、凛よりも楽天的で危なっかしかったんだよな~それプラス、俺の言うこと聞かなかったり、駄々こねたりで・・・苦労した。あの当時は、もっと素直になれって思っただけど、今となっては、あいつのそういうところもよかったって思えんだよな~・・・馬鹿な子ほどかわいって奴?だから、今でも好きなんだと思うぜ。」
「・・・!!」
好きなんだ。
懐かしさの中に、嬉しい気持ちを隠すことなく言う表情。
瑞希お兄ちゃんの言葉が、心に突き刺さる。
「素直に従うのもいいけど、頑固通して手を焼かせるぐれーが、愛着もわくもんだよ。その点、凛は素直だよな~」
「え?」
『僕』が・・・私が、素直?
その言い方だとまるで・・・
(伊吹陽翔が頑固でわがままなら、私は素直すぎて面白みがないってこと?)
「ホント・・・悠翔は困らせてくれたよ。」
それって、瑞希お兄ちゃん・・・・
(私よりも、伊吹陽翔が好きっていう意味・・・!?)
そう思った瞬間、耐え切れなくなった。
「そっ、そんなに、伊吹陽翔さんは良かったんですかっ!?」
気づけば、大声で聞き返していた。
「凛?」
「どーした?」
「凛ちゃん?みーちゃんも?」
「わはははは!喧嘩か!?」
「何事だ?」
前を歩いていた4人が振り返る。
そんな彼らから私を隠すように立ちながら、瑞希お兄ちゃんが言った。
「な、なんでもねぇーよ!先行け、オメーら!」
「けど、瑞希・・・凛たんが・・・・」
「行けっての!・・・こら、凛。何キレてんだ?」
烈司さん達を誤魔化しながら言うと、小声で私を怒る瑞希お兄ちゃん。
「だれが、陽翔の話した?凛のことしか、言ってないだろう??」
「嘘だ!!」
小さい声で話す瑞希お兄ちゃんに、逆らうように大声を出した。
「伊吹陽翔さんのことばっかりじゃないですか!!」
「ば、ばか!声がでかい!墓場で、大声出したすんじゃ~」
「全然、僕の話じゃない!」
あせる瑞希お兄ちゃんに、迫りながら言った。
「伊吹陽翔さんの話だった!」
「凛・・・しつこいぞ、お前?」
私の言葉に、少しだけ怖い顔で言う瑞希お兄ちゃん。
それが私の反抗心をあおった。


