彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)


墓地の通路を、6人が3列になって歩く。




「疲れてないか、凛?」




3番目、最後尾を歩く私に、隣にいた瑞希お兄ちゃんが聞いてきた。

いつもなら嬉しい瑞希お兄ちゃんとのツーショット。



「大丈夫です・・・!」



今は、気分が晴れない。



「嘘つけ。」




私の嘘を見破ると、前を歩く4人に聞こえないように小声で聞いてきた。



「凛、途中から様子が変だぞ?無理しなくていいんだぞ?」

「っ!?む、無理なんてしてないです・・・!元気ですから・・・」

「ほら、そういうところが無理してんだよ?なぁ、やっぱり・・・黙って陽翔の墓に連れて来たのにムカついてんじゃねぇか・・・?」

「ええ!?」



そう語る瑞希お兄ちゃんは悲しい顔をしていた。




(そんな顔、しないで!)


あなたに、辛い思いはさせたくない。

誤解だから!

違うよ!




「ち、違いますよ!そんなんじゃないです!」




そう伝えたくて、言ったんだけど・・・・




「『そんなんじゃない』なら、なんだよ?」

「うっ!?」




弁解したら、表情が一変。




「り~ん~?なぁ~に、隠してる・・・・!?」

「お、お兄ちゃん!?」




意地の悪い顔で、私の顔をのぞき込んでくる。




(だ、だまされた!?)




それで鈍い私も、フェイントをかけられたと気づく。

そこへ、畳み込むように瑞希お兄ちゃんが言う。




「オラ、ごまかしはもう聞かないぞ~?正直に白状しろ、凛!」

「ご、誤魔化すなんて、僕は~」

「さっきから、様子がおかしすぎんだよ!?何隠してんだー!?ホント、お前は手がかかるな~?」




手がかかる。




「・・・俺、そんなに手がかかってる?」

「そりゃあ~大人しい方じゃないだろう?庄倉つぶしたり、族をつぶしたり、東山のヤンキー階級ぶっ壊して~?まぁ、陽翔に比べれば、可愛いもんだな。」

「・・・・『陽翔』に比べれば?」

「こら、ちゃんと先輩ってつけろ。」




のん気に言う言葉を聞き返せば、軽く頭を小突かれた。




「陽翔の方が、困ったって言うか、大騒ぎしてくれたわ。」

「え?」




そして、伊吹陽翔について語ってくれた。