彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





〈いいから、日を改めてください。時間内にそちらに・・・行けそうですから・・・!〉

「なに甘ったるいこと言ってんだよ、お子ちゃま!」




あまりの堂々とした態度と言い草に、百鬼さんが苛立ち始める。




「お前なぁ~社会に出るとよーそういうお願いは、却下されるんだ。」




そう告げる口調は、完全な不機嫌説教モード。

これに電話の相手は・・・





〈あ、すみませーん!ちょっと聞き取れません!〉



(えっ!?)

(とぼけやがった!!?)



あの初代『龍星軍』の幹部相手に、おとぼけ発言をかます。

これに俺と悠斗は同時に固まり、他のヤンキー達も凍り付く。




〔★怖いもの知らずだ★〕




(あの百鬼さんにそんな舐めた口を利けばーーーー!!)





「あ?いっちょ前に、聞こえないふりかー?都合の悪いことは聞こえませんってか、あーん?」



(((((怒ってる!!))))))






静かに怒り始めた百鬼さん。

庄倉のケータイが、ミシミシと鳴りだす。

こうなっては、謝り倒すしかないのだが・・・




〈違います。〉





カンナの携帯を持った奴は謝らない。






(((((お、お前ーーーー!?)))))





「あ?テメーから話してぇって言ったんだろう・・・・・!?」




むしろ、火に油をそぐような言い方をしやがった。






(((((どこの誰だか知らないが、お前ぇー!!?)))))






これに、俺を含めたこの場の全員が思う。






((((((あの天下の【野獣】の言葉を否定しやがったっ!!本物の命知らずの馬鹿か!?))))))






軽く恐怖と驚愕のハードルを越える発言をしてくれる謎の人物。

しれっと、した声で、あの百鬼さん相手にシラを切る。





〈あ、ごめんなさい、聞こえないでーす!〉

「・・・・あんだと?」


「うわ!」

「げ。」





これで気の短い百鬼さんの顔に青筋が浮かぶ。

ケータイをにぎる手の音も、メキメキに代わる。





「どう違うってんだ、ああ・・・!?」

「ひっ・・・!」





百戦錬磨のヤンキー達が見ても、恐怖する表情と畏怖溢れる殺気。





「俺がそうだって言うのに、違うって言いきるんか?テメーの言いたいことは言っておいて、俺には言わせねぇってのか・・・!?」

「も、百鬼さん!落ち着いて!」

「俺が誰か、わかってもの言ってんのか・・・!!?」

「お、俺の携帯が・・・!」





恐喝と恫喝を合わせた言葉を発する大物ヤンキーに、俺達は震える。

携帯を取られた庄倉は、壊されないかという思いもあって顔は真っ青。

いや、それよりも、百鬼さんのお怒りモードが怖かったのかもしれない。





「なんとか言えよ、コラ?聞えてんだろうオイ!?それともこの俺様を、馬鹿にしてんのかっ!!?」





現に、庄倉の隣で怒る【野獣】は恐ろしかった。



〔★修羅場が誕生していた★〕