彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



「俺様休憩!凛助、後はオメーだ!?」

「へ!?な、なにがです??」


「拭け!!」



そう言うと、なにかを私に投げてきた。



「わっ!?これは・・・」



顔の前でキャッチしてみる。



「布??」

「ぞうきんだ、ボケ!ほれ、瑞希も!」

「はあ!?なんで、俺・・・おわ!?」



そう言うと、瑞希お兄ちゃんにも、私に渡したものと同じ布巾を投げてきた。

そして、掴んだ雑巾と私を見た後で、瑞希お兄ちゃんは百鬼に言った。



「なんのまねだ、皇助?」



みけんにしわを寄せて聞く瑞希お兄ちゃんに、百鬼は目を細めながら言った。



「墓石を、水でぬれたままにしとくわけにはいかねぇーだろう?凛を『紹介』するなら、オメーも一緒に仕上げをしてやりながら紹介しな。」

「百鬼さん・・・・」

「―――――――!?」



その言葉で、その一言で、瑞希お兄ちゃんが息をのむのがわかった。




(紹介・・・)




同時に、やっぱりそうなのかと思った。



(お墓参りで、私を紹介するんだ・・・・死んだ2代目に・・・)



会ったこともない、今日初めてその名前を知った龍星軍2代目総長の『伊吹陽翔』。




(その人に、私があいさつ・・・・?)



言われてみれば、そうなるよね。

委員会の引き継ぎと同じようなものかな。



(でもそれなら、順番からいっても3代目と挨拶じゃないの?)



そこまで考えてハッとする。


あ、ダメダメ!


矛盾を感じたけど、思い出す。




(2代目以降は、龍星軍の役職をめぐって殺し合いになったんだった。)



メンバーも次々交代しちゃって~



(なによりも、それより後は、瑞希お兄ちゃんがメンバーだと認めてない。)



だから、2代目でいいんだ。





(瑞希お兄ちゃんが認めたのは、2代目メンバーだけだから・・・・!)


「皇助にしちゃ、気の利くこと言うぜ。なぁ、瑞希?」




立ち尽くしたままの瑞希お兄ちゃんの肩に、腕を回しながら烈司さんが言う。



「陽翔も、瑞希が紹介すれば、凛たんを祟るようなことしねぇーだろうぜ~?」

「祟るって!烈司!陽翔は、そんな奴じゃない!」

「だっらら、誤解がないように紹介してやれ。」

「う・・・」



そう言うなり、瑞希お兄ちゃんの背中を叩いてから離れる。

そして、ニヒルな笑みで言った。