「凛、こするのが上手いな~」
「そ、そうですか?」
細かい作業だったけど、こういう系は好きなので、苦(く)にならない。
瑞希お兄ちゃんに褒められたこともあって、夢中でブラッシングしてた。
気づけば、汚れは落ちて綺麗になっていた。
「よし!ブラッシングはこんなもんか。烈司達はどうだ?」
「ばっちりだろう?」
「手は抜いとらん。」
真っ黒になったスポンを見せながら言うお二人さん。
それで綺麗になったと確信が持てた。
「みたいだな~!これだけすれば、良い感じだろう!?」
「じゃあ、終わりですか?」
「ちっちっちっ!甘いな凛!」
私の言葉に、立てた人差し指を顔の前で振りながら瑞希お兄ちゃんは言った。
「終わったって言っても、水で片付く汚れが落ちたところだ。ラストを決めなきゃダメだろう?」
「ラスト、ですか??」
「おう!洗剤でしめるぞ。」
「洗剤!?」
(洗剤って、え!?墓石に洗剤!?)
〔★凛が予想していないアイテムだった★〕
「だ、大丈夫なんですか、それ!?やりすぎになりません。」
「心配すんな、凛。使うのは、石材専用の洗剤だ。スポンジとハブラシにつけて、さっきした要領で磨いてやればいい。」
「そ、そうなんですか・・・・」
(かなり、本格的なお墓のお掃除ね・・・・)
お墓参りに行っているけど、洗剤なんて、使ったことない。
墓地内の足元の砂利石だって、ザルで洗いに行ったこともない。
そこまで2代目のためにするなんて・・・
(・・・・・・それだけ、『伊吹陽翔』が可愛かったの・・・?)
〔★凛の心に何かが芽生え始めている★〕


